売れ続ける組織になるための営業の再現性の作り方とは

営業活動は個人の資質や性格的な特性に左右されやすく、非常に属人化しやすい業務領域です。

営業活動における属人化とは、営業活動に関する情報がチームに共有されることなく、担当者個人に依存した形で業務が行われている状態を指します。ここでいう「情報」とは、営業活動の進捗状況や顧客・取引先に関する情報はもちろん、成果を出すために有用なスキルやノウハウも含みます。

営業の属人化は担当者不在時に業務が停滞するリスクを伴うのみならず、休職や退職によるノウハウの喪失も懸念されます。したがって、組織の持続的な発展には、営業における再現性の確立が不可欠です。
参考記事:営業の属人化を解消する7つの方法。企業が陥りがちな属人化の対処法を解説

しかしながら、

・属人化の原因がわからない
・属人化をどのように解消するのかわからない

という方も多くいるかと思います。

そこで本記事では、売れ続ける営業組織に欠かせない「営業の再現性」の作り方について解説します。

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INDEX目次

営業における再現性とは

再現性とは、同じ条件下で同じ手法を実施した場合に、同一の結果を得られる可能性の度合いを指す概念です。つまり営業における再現性とは、営業担当者のスキルや経験に依存することなく、特定の営業手法が一貫して同様の成果を生み出すことを意味します。再現性の高い営業組織を構築できれば、営業活動における属人性を最小限に抑えられるため、特定の個人に依存することなく一定以上のパフォーマンスを維持できます。


再現性の高い営業組織がおこなっているデータドリブンな営業プロセスの改善方法については、「再現性のある営業組織とは?」で説明しておりますので、そちらをご覧ください。


営業の再現性が注目される理由

現代市場で営業の再現性が注目される主な理由は、「製品・サービスの複雑化」と「顧客行動の変化」の2点です。

製品・サービスの複雑化

近年、市場の成熟化が加速しており、競合他社との差別化を図るために製品やサービスが複雑化していく傾向にあります。このような背景のなかで営業の成約率を高めるには、プロダクトの詳細を把握し、顧客の潜在的なニーズを捉えてベネフィットを的確に伝える高度なスキルが欠かせません。

しかし、そうした高度なスキルを要求するノウハウは再現性が低く、営業の属人化を招きがちです。そこで、多くの営業組織で成果を出し続ける営業プロセスの再現性向上が重要な経営課題となっています。

購買行動の変化

現代はデジタル技術の発展に伴って顧客や消費者の情報リテラシーが向上しており、従来の購買行動にインターネットを介した情報の検索と共有が組み込まれるようになりました。顧客は製品やサービスの情報を事前に調査し、営業担当者が介在する前に多くの情報を得ているケースが少なくありません。

そのため、営業担当者は単に自社のプロダクトを紹介するだけでなく、より付加価値の高い提案やアイデアを提供するスキルが必要です。購買行動の変化に伴って多様化する顧客ニーズへ素早く対応するにあたっては、成約率と再現性の高い営業手法の確立が求められます。

営業の再現性を高めるメリット

再現性の高い営業手法の確立は多くのメリットを組織にもたらします。代表的なメリットとして挙げられるのが以下の3点です。

売上の安定的な向上が見込める

営業の再現性を高めるメリットは売上の安定化です。

たとえばトップセールスが実践する初回コンタクトからクロージングに至る一連の流れを体系化し、そのプロセスをナレッジに変換できれば、営業チーム全体における成約率の向上が期待できます。営業チームの成約率が高まれば必然的に受注件数が増加するため、売上の安定的な向上が見込めます。

人材の入れ替わりに左右されない

営業の再現性を高める利点のひとつは、人材の入れ替わりによる影響を受けにくい点です。

営業は属人化しやすい業務領域であり、担当者不在時の業務停滞や休職・退職によるノウハウの喪失といったリスクが懸念されます。成約率の高い営業手法を体系化するとともに、その再現性を確立することで、営業活動という属人化しやすい業務領域の標準化に寄与します。

新人の立ち上がりが早くなる

営業プロセスの再現性を確立できれば、その知見を人材教育に応用できる点が大きなメリットです。

企業にとって人的資源の効率的運用につながる新人の即戦力化や教育コストの削減は、営業の再現性向上とも絡む重要な課題です。

例えば、自社のトップセールスの営業プロセスを体系化し、それを基に営業の職能要件やカリキュラム、教材などを作ることで、自社に最適な教育プログラムを開発することができます。そして、それを実施することで新人や営業未経験者の早期戦力化が期待できます。

参考記事:効果的な営業の育成方法をご紹介!自社にあった育成手法とは

再現性の高い営業手法の導入に伴うデメリット

再現性の高い営業手法の導入による直接的なデメリットはありませんが、いくつかの懸念事項が存在します。営業の再現性向上に取り組む際は、以下に挙げる2つの課題に注意しなくてはなりません。

社内の反発

再現性の高い営業プロセスを新たに導入する場合、既存のやり方を変更する必要があるため、営業担当者の反発が生じる可能性があります。人間には恒常性と呼ばれる心理作用が備わっており、多くの人は基本的に変化を好みません。

変革規模が大きくなるほど反発も強くなるため、組織を「現状の姿」から「理想とする在り方」へ移行させるチェンジマネジメントの推進が求められます。

管理工数がかかる

営業の再現性を確立するためには、個人の暗黙知を形式知に変換するナレッジマネジメントや、人材のスキルや経験値などの情報を一元管理し、人材開発や人材配置に役立てるタレントマネジメントの知見が必要です。

また、市場の変遷や需要の変化に応じて手法を随時チューニングする工程が求められます。こうしたマネジメントや継続的な改善に相応の工数を要するため、コア業務に充てるリソースの減少が懸念されます。

再現性が生まれない要因

営業の再現性を確立できない場合、いくつかの原因が考えられます。再現性が生まれない代表的な要因は以下の3点です。

営業活動が可視化されていない

営業の再現性を確立するためには、営業活動における一連のプロセスを可視化しなくてはなりません。

営業活動の基本的な流れは、大きく分けると「リードの獲得」「アポイントメント」「ヒアリング」「提案・見積り」「クロージング」「受注」というフェーズに分類できます。営業活動のプロセスをマインドマップやロジックツリーの要領で可視化することで、各フェーズで実施すべきアクションや改善点を把握でき、再現性の高い営業プロセスを構築する一助となります。

営業フローが定まっていない

営業活動の可視化を経て全体の枠組みを定義できたなら、次はそのプロセスを実際に進める営業フローの確立が必要です。

営業活動は個人の資質や性格的な特性に依存しやすく、勘や経験などの曖昧な要素に頼る営業担当者も少なくありません。体系化された営業フローがない場合、提案やクロージングにおける一貫性の確保が困難です。営業の再現性を確立するためには、ハイパフォーマーの営業フローを言語化・数値化し、ナレッジに変換する工程が求められます。

営業プロセスが評価されない

営業の再現性を確立できない組織に多いのが成果主義への偏りです。成果主義の営業組織は新規顧客の開拓数や成約率といった直接的な結果を重視し、そこに至る過程を軽視する傾向にあります。

その結果、営業プロセスを可視化できず、各フェーズにおける効果的なアプローチが不明瞭になり、それが再現性の確立を阻む要因となります。営業プロセスの体系化や再現性のある仕組みを構築するためには、結果に至る工程を適切に評価する組織体制や評価制度の整備が必要です。

再現性を作る3つのステップ

営業の再現性を確立するためには、以下の3ステップに基づく営業プロセスの体系化が必要です。

顧客の購買行動を理解する

再現性の高い営業を行うにあたっては、顧客の購買心理や購買行動を理解しなくてはなりません。顧客がなぜ自社の製品やサービスを購入したのか、どのようなステップで意思決定したのかを理解するためには、顧客への直接的なインタビューが効果的です。

また。「AIDMA」や「AISAS」などの基本的な購買行動モデルへの深い理解も必要です。購買行動モデルの分析は、顧客が購買に至る動機や行動パターンの把握につながり、顧客の潜在需要を発掘するフレームワークや成約率を上げるクロージングテクニックなどを体系化する一助となります。

購買行動モデル「AIDMA」「AISAS」とは?

AIDMAとは、Attention(注意)、Interest(関心)、Desire(欲求)、Memory(記憶)、Action(行動)の頭文字を取った言葉で、消費者が商品やサービスを購入するまでの過程を説明するためのモデルのことです。消費者の心理が購買行動のどの段階にあるか見極め、効果的なアプローチを行うことで購買につなぐというものです。

一方AISASとは、Attention(注意)、Interest(興味)、Search(検索)、Action(行動)、Shere(共有)の頭文字を取った言葉で、AIDMAにインターネットの要素を加えたものです。インターネット上での購買行動の増加にあわせて電通が提唱しました。

各フェーズで営業が行うべきアクションを特定する

再現性のある営業手法を確立するためには、営業活動の各フェーズで実施すべきアクションの明確化が必要です。

たとえば「リードの獲得」ではダイレクトメールやSNSでのキャンペーン展開、「アポイントメント」のフェーズでは興味関心を高める話題やアプローチ方法の選定、「ヒアリング」では顧客の課題抽出やゴールの確認といった施策が求められます。各フェーズで実施すべきアクションを特定し、標準化された手順を定めることで再現性を確立できます。

営業活動の可視化と管理をする

アクションの実施後は一連のプロセスを可視化し、各フェーズの進捗状況と営業活動全体の成果を統合的に管理しなくてはなりません。それにより、各フェーズのボトルネックを発見できるとともに、成功パターンの要因を把握して再現できる可能性が高まります。

この営業活動をフェーズごとに可視化し、評価・分析する手法をパイプライン管理と呼びます。パイプライン管理を実施する際は、営業活動の支援に特化した営業支援システムの活用が有効です。

営業支援システムとは?

営業支援システムとは、営業に関する情報をデータ化して蓄積し、分析することができるシステムです。営業支援システムを活用することによって、各営業の営業活動が可視化され、手軽に顧客への効果的なアプローチ方法を考えたり、自身の弱点を把握したり、ナレッジや情報を共有したりすることができるようになります。

代表的なツールとして、Salesforce.com, Inc.が提供している「Sales Cloud(セールスクラウド)」やHubSpot, Inc.が提供している「Sales Hub(セールスハブ)」、サイボウズ株式会社が展開する「Kintone(キントーン)」、「SALESCORE(セールスコア)」などがあります。

営業支援システムについて詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。

参考記事:【最新版】営業効率化ツールおすすめ17選!

「セールスイネーブルメント」という取り組み

営業の再現性を高める取り組みに「セールスイネーブルメント」があります。セールスイネーブルメントとは、もともと「営業組織の誰もが再現性を持って売れる」という概念を表す言葉です。セールスイネーブルメントに取り組むことによって、営業組織の属人性を限りなく少なくし、再現性を組織に持たせることができます。具体的には、顧客情報や営業活動のデータから、なぜ売れたのか要因を特定し、仕組み化して実行します。これにより、効率的かつ効果的な営業活動が行えるようになります。

参考記事:セールスイネーブルメントとは?

成功事例

成功事例として、Speee社がセールスイネーブルメントの考えを取り入れて営業プロセスの改善に取り組んだ結果、営業チームの日々の目標完遂力の向上や、営業活動のPDCAの改善を実現した例を紹介します。この企業では、具体的に以下のことを行いました:

  • 思想の言語化:全員が同じ理想に向かって走れるよう言語化し、その思想の上に仕組みや施策を作っていきました。
  • ツールの導入: SALESCOREのダッシュボード機能を利用して目標設定とその達成状況を可視化し、営業メンバーが現状と目標までのギャップを意識して営業活動を行えるようにしました。
  • 営業の仕組みづくり: 朝会や夕会、ロープレなど細かく仕組み化し、定着させていきました。

これらの取り組みにより、同社では何をすれば目標達成につながるのか仮説検証精度も上がり、戦略的に営業や採用、育成することが可能になりました。

参考記事:営業に魔法のスパイスはない。Speeeがセールスイネーブルメントに見出した可能性とは

まとめ

営業の再現性とは、営業担当者の違いに関わりなく、特定の営業手法が一貫して同様の成果を創出することを意味します。営業の再現性を確立できれば、売上の安定化や属人化の解消、人材育成の効率化などに寄与する点がメリットです。

SALESCOREは営業支援システムとの連携により、営業活動に関連するデータを収集・蓄積し、営業における再現性の確立を支援します。売れ続ける営業組織を構築するためにもSALESCOREの導入をご検討ください。

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