株式会社タイミー

データに基づく営業戦略策定でアポイント獲得数が最大2倍に!

2017年創業の株式会社タイミーはアプリ上で人手と事業者をマッチングさせるスキマバイトサービスです。「働くを通じて人生の可能性を広げるインフラをつくる」ことを目指し事業は急成長中です。今回はそんなタイミーの営業を支える営業マネージャーの杉之原 敬介さんにお話を伺いました。


ーSALESCORE社のSales Enablement Program事業導入の背景を教えてください

まず当時の弊社の状況なのですが、営業組織はインサイドセールス、フィールドセールスという形で分けて営業をしていまして、いわゆるザ・モデル型の組織でした。このモデルで組織をもっと最適化していこうと動きはじめた頃でした。また、フィールドセールスの方ではカンパニー制を導入して業種別に、物流チーム、小売チーム、飲食チームに組織を細分化したりもしていました。

同時に、より効率の良い営業をもっとやっていかないとという議論を社内でしていたのですが、今までセールスフォースに全然記録を残していなかったり、どれくらいメンバーが頑張っているのかを数字として可視化している状況ではありませんでした。

なのでどういう営業をしたらいいのかというのが全く分からず、当時コロナが拡大する中で企業様にタイミーで募集をたくさん出していただくにはどうすればいいか行き詰まっていました。どういう風に営業チーム内で少ないリソースをどこに割いたらいいか等ずっと考えていましたね。

企業様にタイミーで募集を出してもらうための法人営業を行うのですが、どうやって戦略に必要なデータを集めたらいいのか?も考えておりました。ちょうどその時に紹介でSALESCORE社を知ったのが導入のきっかけになります。

SALESCOREさんにお願いしようと思った決め手ですが、「営業を科学する」というコンセプトやプログラムの方針に非常に共感しまして、これは弊社としても以前からやりたいことだったので導入を決めました。

また、弊社では営業をどんどん強化していきたいという思いがありまして、当時「営業に強い人を採用したいね」というようなことを経営陣とも話していたんです。営業が強い会社の代表としてキーエンスがいつも話題に上がったりしていて、SALESCOREさんのコンサルタントに出身の方が多いイメージだったのでそこも非常に興味が湧きました。

営業を科学するだけではなく、営業のスタンスそのものやハイレベルなKPIの基準やノウハウも一緒に学びたいと思いました。


ー導入以前の課題にはどういったことがあったのでしょうか?

当時営業組織のメンバーは、フィールドセールス3チームそれぞれに7名程度ずつ、インサイドセールスにも7名ほどいました。営業経験の有無はまちまちでしたが、全員に共通していたのが、そもそも社会人経験が浅いとうことで、社会人2、3年目のメンバーがメインでした。なので営業を効率化したりマネジメントするノウハウが組織内に無いということがまず課題でしたね。

また記録に関しては、お客様に発出したメールや、電話、商談の記録が全くされていない状況で、各担当の頭の中にだけあるといった感じでした。なので私がメンバーにお客様の進捗などを聞かないと状況が分からないということが多々ありました。

また営業の活動記録が不完全なので、フィールドセールスが月間どれくらいの行動をすればいいのかが分析不能な状況で、いわゆる営業戦略を立てる上でのデータが不足していました。

セールスフォースに記録する文化が浸透していなかった理由としては、自分たちの記録がどんなことに役立つのか?じぶんたちにどんなメリットがあるのか?ということがはっきりわかっていなかったからだと思います。メリットが認識されていない中でわざわざ手間をかけて日々の記録を残すことはしませんからね。


ー営業組織における仕組みづくりは具体的に何を行いましたか?

まず最初に各チームでどんなKPIを設定すればいいか、いわゆる定義づけと項目決めをチームごとに行いました。

ここではコンサルタントのBuddyと一緒にタイミーで募集をたくさん出してくださっている企業様を抽出し、当時の開拓方法を思い出し、再現するための仮説立て、分析を行ったのですが、想像以上に工数がかかったので、ここまでやるのかと驚いた記憶があります。ひとつデータを取るにしても、これだけ分析をして項目や定義を決めなくてはいけないのか、と「営業を科学する」難しさを実感しました。

これまで感覚で「だいたいアポ率3%くらいでしょう」となんとなくアバウトに目標を立てたりしていたのですが、それ自体がそもそもイケていなかったということがよくわかりました(笑)

各マネージャーから一時、こうして細かく行う難しさや面倒臭さについて声が上がったのですが、将来の成功イメージを他社の事例を出してBuddyの方が丁寧にレクチャーしてくださり、マネージャー陣と方向性をすり合わせることができました。

その他、会議の形態を変えたりもしました。弊社は今まで細かい会議が多く、同じ話をいろんなところでしてしまうなど、効率が良いとはいえない状態だったのでそれを改善しました。

また今までKPIを設計して終わりというふうになってしまっており、結果の分析とネクストアクションの決定ができていなかったので振り返りの会議を設けました。週次、日次でしっかり数字を追うようにし、いわゆるPDCAを回してそれを全員で共有するということを意識的に行うようにしました。会議体をしっかり設定することでアクションにも結びついたような気がします。


ーSALESCORE社のような外部のコンサルティングに依頼したことで良かった点はありますか?

インサイドセールスでは、今までアポイント獲得件数しか追っていなかったのですが、SALESCORE社のプログラム導入後は、どのタイミングでどんな顧客にアプローチしたかをしっかりデータとして取るようにしました。こうしてデータを見て科学していくことによって、各メンバーの意識が日々のアクションというものに向くようになりました。これによって目標とするゴールからの逆算が全部できるようになり、全メンバーから日次の進捗報告が上がってくるようになりました。ここで、例えば現時点で進捗がマイナスになっていたらその原因と改善策、プラスになっていたらその要因ともっとプラスにするための策も話されるようになりました。

こういった試行錯誤が全員の根本に根付いてきたのは新しい会議体の成果だと思っています。

またこれによって、新しく入ってきたメンバーがトップ営業員のレベルに追いつくまでのスピードが格段に早くなったと思います。プログラム開始から6名ほど新メンバーが加わったのですが、何をすべきかが明確になっているので営業マンとして早く強くなれるのかなと感じています。


ーSales Enablement Program事業の導入によりどんな効果がありましたか?

記録をする文化が根付いたというのがひとつあります。一番最初の段階から、Buddyが記録を作る箱も一緒に作ってくれたので、メンバーの誰がどこに記入したらいいのか迷うことがなくなりました。それによって記録をする率は現在ほぼ100%になっています。

Buddyとも話し合って記録も評価指標に入れることにし、それによって記録文化を根付かせることができました。

また、マネージャーから見てチーム全体の進捗とメンバー各人の進捗が可視化されていることによって、毎日オンタイムで会社全体のヘルススコアがわかるので戦略立てやすくなりました。全体の状況が見えることによって戦略を細かく方向転換することもできるようになりました。

メンバー自身から「こういうことを記録するべきだけど現状項目がないから改善したほうがいい」等、セールスフォースの項目に提言するなど当事者意識が芽生えてきたのも大きな進歩です。メンバーひとりひとりが、ただ数字をやっているというよりかは会社全体の視点に立って考える文化が根付いてきていますね。これは非常に良かったと思います。


ーSALESCORE社のコンサルティングとSALESCOREの導入で成果につながったことはありますか?

インサイドセールスでは今まではメンバー間のKPIの差が非常に大きく、数字ができている人ができていない人に教えたりはしていたのですがなかなか下限が引き上がらず悩んでいました。ですが、今回のコンサルティングとSALESCOREの導入で、今までできていなかった人のレベルが向上し全員がトップレイヤーと同じ水準になりました。アポイント獲得件数でいうと1.5倍〜2倍になっていますね。

また、弊社の場合、北海道から九州まで支社があるのですがそれぞれの支社の営業チームが何をしているのかが今まではキャッチアップしづらい状況だったのですが、SALESCORE導入で一覧で状況がわかるようになったので瞬時にデータが追えるようになりました。支社のメンバーがどういう工夫をしているかとか、数字を意識しやすくなりました。

その他、導入後の変化をあげますと

  • 全メンバーが効率的に営業を行うにはどうしたらいいかを意識するようになった。
  • この半年で施策がメンバーから上がってくるようになった。
  • 数字管理できるようになったので原因と結果の因果関係がわかるようになった。それによりハイレベルのメンバーにはどういう仕事を振ったらいいのかが明確にわかるようになった。
  • 感情的なものではなく数字という根拠を持ってメンバーを指導できるようになった。
  • メンバー同士の中でも他の人の動きを気にするようになった。メンバー同士の手の取り合いが活発に起こるようになった。

など、たくさんの良い変化がありました。私たちだけで行うよりもSALESCOREさんに入っていただいたことでスピーディーに改革が行えたと思いますし、社内メンバーだけでは起こり得なかった変化もあったので本当に良かったと思います!


ー杉之原さん、貴重なお話ありがとうございました!