株式会社東海理化

新規営業を変革:SALESCORE導入で実現する再現性のある営業組織へ

自動車部品メーカーとして人とクルマがともにある社会の発展に貢献してきた株式会社東海理化。同社では法令上必要なアルコールチェック含め、社用車に関わる業務改善を実現する社用車管理サービス『Bqey(ビーキー)』を展開されています。

しかし新規営業のノウハウが不足しており、受注数を増やすための適切なPDCAが回せていないことが課題としてありました。

そこで同社では2024年よりSALESCOREを導入。営業メンバーが同じ数字を見てコミュニケーションを取れるようになったことで、営業の属人化が解消されてチームプレーが生まれ、再現性のある営業組織へと変化を遂げています。

そこで今回は、ニュービジネスマーケティング部 PMO室 プロダクトマネージャー 飯田さま、セールス室にてセールスチームリーダーを務める加藤さまに、SALESCORE導入に至った課題感から導入背景、また導入によってどのような効果や変化があったのか伺いました。









再現性のある営業を実現するために。ITリテラシー問わず誰もが見るべき数字を見られるUI/UXであったことが導入の決め手

まずはSALESCOREにご相談いただいた背景として、どのような課題感をお持ちだったのか教えて下さい。

飯田:もともと当社は自動車部品のメーカーで、既存顧客とのお取引が中心であったため、新規で顧客開拓をしていく風土がありませんでした。そうした中、社用車の管理システムである『Bqey』を展開していく上では新規で顧客開拓をしていく必要があり、営業組織を立ち上げたのですが、新規営業でSaaSプロダクトを取り扱ったことがある経験者もおらず、組織として型がないため営業スタイルも属人化していました。

組織として成長していくためには再現性が重要であり、いかに数字の見える化を実現するかが課題としてありました。


加藤:もちろん営業組織としての進捗管理は行っており、当時はSalesforce上でダッシュボードを作成して案件の進捗管理を行っていました。案件のランクをA〜Cと分類して管理していたものの、属人的なランク設定となっており、どういったリードがランクAであるのか、組織として共通の認識となるような定義ができていませんでした。

そのため、Salesforce上で各メンバーの案件の状況や着地見込みを管理することが難しい状況でした。さらには、案件のプロセスを管理することも難しく、営業活動を振り返り、売上達成のためにどのようなネクストアクションをすべきかといったPDCAが回せていないことが課題としてありました。

ニュービジネスマーケティング部PMO室  飯田さま(写真左)
セールス室セールスチームリーダー 加藤さま(写真右)

SALESCOREを選んでいただいた決め手は何でしたか?

飯田:営業組織を強化していくためには、営業の型を設計する必要があり、構築に対して主観的にならないよう専門のエキスパートと共に伴走することが効率がいいと思ったことがキッカケでした。実は当時、SALESCORE以外の他社からも提案を受けていたのですが、他社はどちらかと言うと営業代行のような提案だったんですね。

一方で、SALESCOREは組織全体のボトムアップであったり、再現性のある営業をどう実現していくかということを解像度高く提案いただき、私たちがやりたいことを実現できそうだと思えたことが決め手のひとつでした。

また、以前はSalesforceのデータをスプレッドシートに落とし込み、自分たちが求める形式にデータを加工するといったことを行っていましたが、それだけでも相当な工数がかかります。しかしSALESCOREであれば、ファーストビューで自分たちが追っている数字の進捗状況をひと目で見られるため、ITリテラシー問わず、現場の誰もが見るべき数字を簡単に見られるUI/UXだと感じたことも導入の決め手でした。










見える化によって営業活動が隠せない状態に。その結果、成功事例を共有するなどチームプレーが生まれていった

導入後、実際の運用開始に至るまでに苦労したことは何かありましたか?

飯田:当然ながら、ツールを導入すれば再現性のある営業が実現できる、というわけではありません。そのため、そもそもの営業プロセスの見直しから必要になってくるわけですが、我々だけで構築するとどうしても主観的な設計になるため、あるべき営業プロセスを構築できないのではないかと感じていました。

そこで、今回営業のエキスパート集団であるSALESCOREがコンサルティングに入っていただき、約3ヶ月かけてどのようなプロセスで営業をしていくべきかを一緒に議論し、設計しました。

テンプレのような提案ではなく、私たちの状況を汲み取り、常に私たちの組織ではどう進めていくべきかということを考えて提案いただけて、信頼できるパートナーだと感じました。


加藤:あらためて営業プロセスを見直し、カスタマーパスを策定したことで、何をすべきかが明確になった一方で、日々の業務プロセスが変わることに対して現場からの反発が生まれるのではないかということが懸念としてありました。

懸念していた現場からの反発を払拭すべく、展開時にはSALESCOREメンバーの方に朝会、夕会にも参加頂き、各メンバーの性格もふまえた上で、策定したカスタマーパスがどういった意味があるのかなどをしっかりと言語化して伝えていただきました。

その結果、営業メンバー全員でカスタマーパスに従ってアクションを起こしていこうという雰囲気をつくりながら展開していくことができました。

また、リーダー視点では、これまで営業として泥臭く行動するといったことが足りていないように感じていました。一方でSALESCOREの皆さんは何か新しくタスクが生まれれば即行動されていて、そうしたSALESCOREの泥臭く行動していく姿があったことで、営業メンバーのSALESCOREに対する信頼が構築できていったのだと感じています。

現在どのようにSALESCOREをお使いいただいていますか?

加藤:フェーズを上げるためにはどこにボトルネックがあるのか、そのボトルネックを解消するためにはどういったネクストアクションが必要であるのか、を策定したカスタマーパスに基づき議論する上で、SALESCOREを活用しています。

以前は売上数値しか見ておらず、目標未達の場合も主観的な意見が飛び交い、何が原因だったのかを正しく議論することができていませんでした。

しかし、いまはSALESCOREで初回商談数から成約数、金額まで、各プロセスの数字が見える化できているため、各案件の進捗がいまどうなっているのか、いまお客様はどういった状態であるかを確認し、次に何をすべきかを各々が把握できるようになっています。 

▲SALESCORE 画面 (※イメージ画像)

また、各数値が見える化したことで、ある意味で自分たちの営業活動を隠せない状態になっています。その結果、成功事例があればお客様の状態を正しく認識した上で「あの案件ではどういった資料を使ったのか」「どういった進め方をしていったのか」などの会話が生まれ、同じフェーズのお客様との商談時に活かすことが出来るようになっています。

これまでは個人プレーで行われていた営業が、見える化できるようになったことで共通言語が生まれ、組織としてのチームプレーが生まれているというのを強く感じています。


現場メンバーの変化は何かありましたか?

加藤:新しい営業プロセスにしたことで、これまでの営業スタイルが変わってしまうということに危惧するメンバーも当初はいました。しかし、カスタマーパスに基づいて、いまお客様はどういった状態なのかであったり、いま自分が行っていることはカスタマーパスのどの部分であるかといったことを知れるようになったことで、自身の営業を体系化して考えられるようになっています。

また以前は営業活動が作業化していたのですが、現在は朝会、夕会を通じて、各メンバーがお客様はどこのフェーズで、次にどういったアクションをするかを報告するようになり、より主体性を持って営業に取り組むようになったことは大きな変化でした。


適切な仮説検証ができるようになり、受注率は10%改善。脱スプレッドシートで工数削減にも繋がっている

あらためて、どのような点にSALESCORE導入の成果を感じていらっしゃいますか?

加藤:様々な数字が見える化できていることで、仮説検証できるようになったことが大きな成果のひとつです。もちろん、以前までも仮説検証はしていたものの、誰も正しく言語化できず、それぞれが思い思いに動いている状態でしたし、単月の着地見込みも個人的な感覚でしか測れていませんでした。

しかし、いまは各プロセスの数字が見えているため、着地見込みの精度が上がり、未達になりそうな場合は次にどういったアクションをすべきかが明確になっています。特に以前は初回商談から2回目への移行率が非常に低かったのですが、適切なPDCAを回せるようになったことで移行率は15%近く改善しました。その結果、受注率も以前に比べて約10%改善できています。


飯田:着地見込みも、以前はおそらく5割程度の精度でしたが、いまは7〜8割の精度にまで改善されています。また、以前まで発生していたSalesforce上のデータをエクスポートして加工し、スプレッドシートに落とし込むという作業がなくなり、SALESCOREだけを見ればよくなったため、マーケティングから営業までがPDCAを回すことに集中できるようになったことも導入成果のひとつです。

さらにSALESCORE導入以降、営業が着実に数字をつくっていくことができるようになり、各メンバーも案件に対してもデータドリブンで会話が増えて組織として営業中心に回り始めていますし、BtoBプロダクトを扱う組織として適切な動き方になってきていると感じています。


ーあらためてSALESCORE導入のご感想をお聞かせください。

飯田:当社は自動車部品の会社だったということもあり、一般的なSaaS業界の会社に比べてITリテラシーが高い社員ばかり集まっているわけではありません。そういった社員であっても、SALESCOREは誰でも使えていますし、未達であれば赤色で表示されるなど、SALESCOREを見れば営業進捗が一目瞭然で、非常に使いやすいツールだと感じています。

そしてツールはもちろん、SALESCOREの伴走型支援にも非常に感謝しています。はじめの3ヶ月の設計フェーズがなければ、ここまで営業プロセスの改善は進んでいなかったと思います。当社の事業や組織の状況から迅速な設計が必要でしたが、そのスケジュール調整にもご尽力いただき、感謝しています。

本当に泥臭く、我々がやるべきことを解像度高く言語化していただきましたし、当社の抱える課題を解決するために本気で向き合っていただき、ありがとうございました。

最後に今後のSALESCORE活用含め、御社ではどのようにセールスイネーブルメントに取り組まれていく予定なのか展望をお聞かせください。

加藤:これまで属人化していた営業活動が、SALESCORE導入以降はチームプレーが生まれるようになり、営業組織としての共通言語を持つことができるようになりました。

一方で営業スキル等によって個人差がどうしても生まれてしまうことがいまの課題としてあるため、SALESCOREの各データを見ながら、今後は一人ひとりの営業メンバーに対してどのプロセスにボトルネックがあるのか、どうすれば改善できるのかといったコミュニケーションをより積極的にとっていきたいと考えています。

また、現状は成果を出しているメンバーに対して、どうやって案件を進めていったのかといったことを質問するようなコミュニケーションが生まれていますが、個々でのコミュニケーションに終わらせるのではなく、ナレッジやノウハウをチームでの共有知として残していけるような取り組みも行っていきたいと考えています。

そして、新しいメンバーが入ってきても、成果を出せるような仕組みをつくっていき、再現性のある営業組織をつくっていきたいと思っています。


飯田:今回、SALESCOREに支援いただいたのは直販営業のチームが対象でしたが、今後は代理店営業も含めた営業体制の構築を考えております。

そのため直販チームだけでなく、代理店含めた営業のマネジメントを進めていく中で、今回取り入れた営業プロセスを横展開していき、成果最大化に向けた動きを取っていきたいと考えています。


ー貴重なお話ありがとうございました!