株式会社おてつたび

属人的な管理から組織基盤の構築

2018年創業の株式会社おてつたびは(https://otetsutabi.com/ )日本各地の素敵な地域へ行く人が増えて欲しいという思いから生まれた、「お手伝い」を通じて地域と旅行者を繋ぐサービスを展開する企業です。今回は代表の永岡里菜さんと、組織改革を行なってきた土居和生さんにお話を伺いました。


SALESCORE社のSales Enablement Program導入の背景を教えてください

永岡さん:私、開発、地域サポート(営業)の3名でサービスをスタートしてから、資金調達も完了し、よりチームを作っていく必要があるタイミングでした。それまでは阿吽の呼吸でやってきて、記録する文化もなく、第三者が入ってきた時に伝えることが難しい暗黙知化されたことも多くあり、そこが課題だと感じていました。

そんな時、社員の中に前職でSALESCORE社のSales Enablement Programを受けた経験のある者がいて、話を聞いたら私たちが感じている課題感とドンピシャのソリューションだったので、導入を決めました。


SALESCORE社のプログラム導入後、具体的にどういった取り組みがされましたか?

土居さん:まずは<記録の徹底>ですね。コンバージョンや、リードタイムなど数字を記録する、ということは今まで取り組めていなかった部分でした。そういった基本的な動作が根付くように、一緒に組み立ててもらいました。

あとは<朝会、夕会>の実施。チームの状況、お客様の状況をリアルタイムで共有できるようになりました。基本的には、週の目標を最初に共有し、そこに基づいたタスクの進捗・動き方などを話します。目の前にある物事よりも週単位、月単位で何をすべきか、を重点的にコミュニケーションしていますね。各々のタスク管理も朝会、夕会の場でするようになりました。

それまでは何が忙しいのか分からないくらい、不透明なタスクに追われていましたが、SOSを出したりフォローしあったり、自身のタスク過多に気づける場にもなっています。


永岡さん:まだまだ不完全な点もあるサービスなので、どうしても日々イレギュラー事項が起きてしまいます。そういった際に「この意思決定で良かったんだっけ?」といった会話も朝会・夕会の場でできるようになりました。

私たちのサービスの特性的に、「日本各地の知られていない地域を知ってほしい」というビジョンドリブンな側面も多く、数字だけでは語りきれない部分もあります。そういった面の情報も共有できるようになりましたね。今でも大切にしている文化です。


土居さん:<週次MTGの見直し>も実施しました。当時は各事項の共有先がチームなのか、会社全体なのか、視点や目的がぐちゃぐちゃしていた現状でした。正直、代表と私が確認し合う場のようになってしまっていました(笑)


永岡さん:少人数の時はそれで良かったんですが、やはり人が増えてくるとそうもいかない。人を増やしていく段階で再設計をし、癖づけることができたのは非常に良かったです。

一番印象に残っているのは?

土居さん:やっぱり<記録>ですね。記録する文化がないところからのスタートでしたので相当苦しかったです。でも今となってはそれがストレスフリーに実施できるようになりました。というのも、自分自身がとても楽になったんですよ。

チームの人数が増え、自分の手を動かさなくてもメンバーに任せることができる、都度聞くのではなくそれを見たら誰でもできる<記録>がある、まずその状態になっていることが大きいです。今までは私が全て関与していたのですが、タスクごとにお願いする人を決めるだけで、チームが動けるようになりました。

おてつたびは、チームでより地域の方をサポートしていきたいという気持ちが強いです。記録する文化がないと、属人的な対応になってしまい、緊急度が高い相談や質問はどうしても周りがサポートしきれないのも悩みでした。そこが解消できてチーム感がより増したのは嬉しいです。親の言っていたことが大人になって分かった、という話がよくありますが、まさにBuddy(SALESCORE社のコンサルタント)に教わったことが当たり前にできるようになった今、いかに大事なことだったのか身にしみて分かりました。


プログラムを実施したBuddyはどのような存在でしたか?

土居さん:鬼教官ではありました(笑)一番良かったのは、おてつたびのサービスを非常に理解いただいていたこと。下手したら私たち以上に理解してくれていたかもしれません。極端な話ですが、ただ数字をあげることだけではなく「おてつたびは地域を第一に考えるサービスですよね、であれば今回のジャッジはこちらですよね」といった具合におてつたび視点に立っていただけた。そこは本当にありがたかったし、嬉しかったし、やりやすかった。感謝でいっぱいです。


永岡さん:おてつたびの今抱えている課題は何なのか、をおてつたびの価値観をベースに考えてくれた。そこが非常に印象的です。


元々感じていた課題と改善されたことは?

永岡さん:そもそも自分達の現在地が分からない、というのが感じていた課題でした。そこから記録する文化が根付いて、いつでも立ち戻れる状態が作れました。そこが改善されたポイントですね。


土居さん:当初は全部が私の頭の中にあって、整理できていない状況でした。自分しか分からない情報が多いと、メンバーが一斉に私に連絡してくるんですよ。Slackのメンションがすごい量でした(笑)一つ一つ答える手間もそうなんですが、答えたとしても結局部分的になってしまう。チームとして動く土台ができていなかったんですね。人を採用すると、また一人質問してくる人が増える、みたいな。メンバーが私の持っていない能力を潜在的に持っていたとしても、それを活かしてもらえないという状況でした。今は周りのメンバーに任せられますし、情報も共有できる。当時とは明らかに変わりました。

チーム体制を変更させる意思決定をした背景は?

永岡さん:3人で進めていたフローの延長のように考えてしまっていたんですが、人が増えてチームになると、意外と効率悪いよね、という話になりました。そこでまずはセールスをインサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスという形に分業しました。おてつたびは営業を営業とは呼ばず、地域サポートと呼んでいます。そこには地域に伴走したいという思いがあって、そうするとやはり一人が一元的に全ての事業者さんの対応をするのは、事業者が増えれば増えるほど物理的に難しくなってしまうかと思います。分業することでチームでしっかりサポートできるようになったと思います。


土居さん:地域サポート(営業)チームを分業したのは、おてつたびとしても非常に良かったのはもちろんなんですが、お客様側にもメリットは大きかったと感じています。地域の皆さんは様々な角度から悩みを持っているので、一人がぐっと寄り添うのではなく、チームとして関わることで多くの意見、提案が生まれる。そこは続けていきたいです。


今後の組織の展望などがあればお聞かせください

永岡さん:ありがたいことに地域からの引き合いは多く、おてつたび先も順調に増えているという状況です。新たな地域にももちろんアプローチしたいんですが、既存のお客様に変わらないサポートをしていきたいと考えています。お客様が増えたから、おてつたびのサポートが雑になったよね、という状態は避けたいんです。なのでこれからも変わらずにきちんと伴走できる組織設計や体制づくりを引き続き行いたいです。そのためにも、理念に共感いただける人材を積極的に採用していきたいですね。


土居さん:誰かがすごいからこの提案、解決策が生まれるではなくて、チームとして再現できる状態を目指したいです。おてつたびのソリューションを使ってチーム単位で届けていく、が理想です。属人化していたり、ナレッジ共有がされていなかった状況だと叶わなかったことなので、記録が根付いた今そこを目指していきたいですね。


今後数値化して記録するポイントを増やし、分析し、勝ち筋が見つかる。そうやってPDCAを回すことが更なる会社の成長に繋がりますね。

永岡さん:おっしゃる通りですね。SALESCORE社のSales Enablement Programを始めた当初は土台ができていなくて、そこにすら目を向けられていなかった。プログラムを終えて、ようやく目を向けて次のステップに進むことができるなと思っています。


永岡さん、土居さん、貴重なお話ありがとうございました!
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