株式会社エル・ディー・ケイ

賃貸仲介数上位20%のエル・ディー・ケイ。チームの営業力を高めるKPI運用とマネージメントを実践

「ファン顧客の創造と賞賛」という経営理念をもとにマンスリーマンションや法人仲介事業を展開する株式会社エル・ディー・ケイ(以下、エル・ディー・ケイ)。

2023年で創業20年になるが、「個人重視の営業体制からデータドリブンかつ組織的な営業体制」へ転換し、セールスイネーブルメントに取り組んでいる。エル・ディー・ケイの辻井 政貴さん(営業部門 執行役員)、春田 健人さん(大阪法人部/名古屋法人部 部長)、三根 和起さん(大阪法人部 営業課 課長)にSALESCOREを導入したきっかけや活用のための具体的な取り組みをうかがった。


左から、春田さん、辻井さん、三根さん










属人的な営業活動から脱却のためにSALESCORE導入を決断

はじめに貴社の事業内容について教えてください

辻井:弊社の中軸となる事業内容は大きく分けて2つあります。1つは法人向けの転勤者をターゲットにした賃貸事業で、もう1つは法人向けマンスリーマンション事業です。弊社の賃貸事業は、法人顧客が中心となるため一般的な賃貸仲介店舗とは異なるターゲットと専門性を持つ事業になります。

近年では、COVID-19の影響等もあり賃貸仲介業、マンスリーマンション事業は一部影響を受けましたが、業界初のマンスリーマンションの申し込みから入居後のサポートまでワンストップで代行するMONTHLY BANKという新たな商材をリリースをして差別化を図ることができました。現在では賃貸仲介事業に匹敵するほど、成長してきています。

転勤者だけではなく、出張や研修などに関わる方々の移動のフォローをしており、企業と強い絆を作っていきながら事業として確立させていっております。


営業組織のミッションやお取り組みについて教えてください

春田:長らく課題であった属人的な営業活動からの脱却を掲げ、取り組んでいます。マネージャーとしてメンバーに「売上を上げろ」と言うだけでは結果につながりづらく、メンバーとしても働きづらいと考えています。そのため、感覚的なアドバイスのみに頼るのではなく、各営業の立ち位置や課題とその要因がどこにあるのか等を数値で可視化し、分析することが重要と考えております。また弊社の場合、売上だけでなく、ファンを増やしていく顧客の創造も組織的なミッションとしていますので、その価値観を他のメンバーに伝え、共有できるよう努めています。


SALESCOREの導入を検討するに至るまで、営業組織でどのような課題があったのでしょうか?

辻井:元々、弊社の営業組織はチーム単位ではなく、自分の業績で給与が変わるフルコミッション型を採用しておりました。以前はチームより個人の売上意識が強かったのですが、法人賃貸仲介業は景気も良く安定した事業でした。しかし、大きな波がきた際に組織として揺らいでしまいました。その状況下で社員一同一丸となって、乗り越える必要がありました。

COVID-19が蔓延するなか、部署全体が売上目標を達成できていない時期がありました。メンバーに「目標は達成できそう?」と聞いた時、「はい、私は大丈夫です」と自信たっぷりに答えました。個人の売上は気にかけているが、営業に部署全体の売上意識を持たせることができていない状態に違和感を覚えました。営業部全員で1つの目標を目指して競い合ってほしい気持ちもあり、チーム状態が良いのか悩んでいました。

そのために、Salesforceをはじめ様々な最先端のものを導入していましたが、営業データを十分に弊社では使いこなせていませんでした。

SALESCOREにより組織及び個人の数値を可視化することで、チームの売上意識へ変革を促し、マネジメントをしやすい環境づくりを目指しました。










SALESCOREで売上だけでなく、プロセスKPIも可視化

SALESCOREを活用することで、業務にどのような変化がありましたか?

春田:今まですぐに目標数が見れなかったり、パッと営業状況が一覧にならない、わざわざページを見に行かないといけない、売上の主担当と副担当の部分を一元化できないなどの不便さがありましたが、それがSALESCOREだとギュッと凝縮したページを作ることができ、かつログインすれば全メンバー同じページを工数をかけずに見ることができるようになりました。今ではSALESCOREにある情報をもとに、三根がマネジメントをしてくれています。

複数オブジェクトをクリックで簡単に連携


三根:はい、私は会社の中でも、とてもアナログな人間なんですが、そんな私が1番使ってるぐらい見やすいですね。他のメンバーもアナログな人が多いのですが、本当に見やすくて。10件案内した中で4件決めるなど、案内率や決定率をパーセンテージで個人の評価を設定しているのですが、それをすぐに見ることができるようになりました。

個人やチーム別のKPIを自動更新で表示 ※デモデータになります。


営業別のKPI可視化をすることで、気づきはありましたか?

三根:個人別の売上数値がSALESCORE上に出てくることで、個人差の要因を考えるきっかけになりました。例えば案内決定率というKPIがありますが、個人差が大きく出ていました。案内率が高い人からはなぜ成果が出ているかのヒアリングをし、情報の蓄積や共有をメンバーにしています。

一方で、改善点も把握することも容易になりました。案内までフェーズアップしていない営業には案内を増やすためにはどうしたらいいのか(来店率)、依頼からどうやって案内まで結びつけるのかという部分の改善が必要です。また、案内は取れたが、他決(他社との成約による失注)している営業は案内部分を改善する必要があります。

売上以外のプロセスKPIもSALESCORE上で一目で分かるので、とてもありがたいです。

売上までのプロセスがどうだったのかKPIとして可視化することで、売上と各KPIの関係性を理解しやすくなりました。


部署の予算進捗について、マネージャーやメンバーでどのようなコミュニケーションを取られていますか?

辻井:基本、部長会議を2週間に1回のペースでおこなっています。会議内で各部署からSALESCORE上の進捗状況を含めた報告があがってきます。未達のリスクがある、目標達成ペースが遅い場合には会議内で改善の指示や改善策について話し合い、営業施策に落としこんでいます。


春田:どうしても依頼件数が少なくて、予算を達成が難しい状況もやっぱりあるんですね。その場合は他にも目標にしている数値(来店率や決定率などのKPI)があるので、「せめてそこは達成できるように動かないといけないよね」という声掛けをします。「依頼数が少ないから売上いきませんでした、なので他もダメでSALESCOREの画面真っ赤です、ではいけないよね」という話し合いがしやすくなっているので、そういった意味では活用できていると思います。

ただ以前と違って、現場でも進捗が見れるようになったので、マネージャーから一方的に話すだけではなく、実際に現場から全体や個別の進捗状況の話を聞く機会が増え、売上意識、達成意識が変化していきていると感じています。


辻井:個人毎の成果のばらつきに対して、可視化されたKPIをもとにマネジメント側がサポートしやすくなったこともSALESCORE導入で大きく変化しました。

マネージメントの介在によってお客様により良い提案ができたり、よりチームで助け合う流れができるといいですね。


今後、多角的なイネーブルメントの展開を

今後の営業組織作りにSALESCOREをどのように活用していきたいとお考えですか?

辻井:弊社は中間管理職不足なので、まずはSALESCOREのようなプロダクトから社内コミュニケーションを増やしていったり、ゆくゆくは個人の調子みたいなものも分かるようになるといいなと思っています。以前他の会社で、社員1人1人がモニターに自分のその日の調子を晴れマークや雨マーク等を使って表示させているのを見たことがあって、そういうのが営業成績とつながるのかということを分析してみるのも面白いですし、「今日、大丈夫?」などコミュニケーションのきっかけにもなりますよね。


最後に、御社がセールスイネーブルメントに関して取り組まれていることや今後の展望について教えてください。

辻井:社内研修の充実と、生産性の向上がテーマです。前者については、中長期に活躍できる人材づくりのためにも、キャリア観の醸成を目的とした研修や、社会人としての階層ごとの研修を考えています。営業力・技術力以外にも仕事の価値観・考え方などの育成も欠かせません。弊社の若手社員は入社して、2年もすると一連の業務自体は身につきます。そこをいかに次のステップを提示できるか、若くして抜擢していく仕組みづくりが重要と捉えています。管理職のみが必ずしもキャリアの選択肢ではないので、新規事業など配置換えなど社員のキャリアを広げる必要性を感じています。

後者については、私たちの業態は特殊で、春の忙しさっていうのは現状避けられませんが、改善できるように動き出しています。今まで新規獲得をしようと積極的に動いていた部分もありますが、営業データから単価・率も改善するためのターゲット戦略や工数管理により、さらに生産性を意識した営業活動へシフトを考えています。


ー春田さん、辻井さん、三根さん、貴重なお話ありがとうございました!