株式会社アサヒ商会

創業70年の歴史ある株式会社アサヒ商会、御用聞き営業から顧客に示唆を与える提案型営業への変革

Summary

  • 受け身の営業ではなくて提案型の営業にシフトする必要があった

  • リソースアンケート/KPI設定/パーチェスポイントの明確化など変革のために数多くの施策を実施

  • 粗利4.2倍増加の成果創出に成功


株式会社アサヒ商会(以下、アサヒ商会)は従業員108名、1948年の第二次世界大戦後に創業した歴史ある企業です。町の文具店業からスタートし、インターネットの台頭や、スマホの台頭、昨今のコロナ禍といった市場や顧客のニーズの変化に柔軟に対応し、現在は文房具の小売店を複数店舗経営するのみならず、法人企業向けに「デジタル時代の文具」であるITツールやクラウドツールを群馬県の地域のお客様に寄り添い価値提供をしています。

アサヒ商会は営業の変革をする必要があり、SALESCORE社は伴走支援をさせていただきました。変革の具体的内容を代表取締役廣瀬様(写真左)、法人事業部IT事業グループマネージャーの高橋様(写真中央)にお伺いいたしました。










まず初めに当時の営業組織の課題感を教えてください。

御用聞き営業だけではやっていけないと感じた

廣瀬様:現在、弊社は会社全体の売上の35%が文房具の小売の事業、60%が法人の事業、一部リサイクル家具の販売事業があります。今回営業組織の改革に取り組んだのは法人事業のうちIT事業にあたります。

いままでは中小企業であれ大手企業であれ主力の稼ぎは消耗品であり、購買部門に対して多くのコンタクトを営業担当がとっていれば消耗したタイミングで発注をいただくことができました。ただ現在では企業のお客様の中で消耗品の需要が徐々に減少していき、お客様から発注を受け身で待っているだけでは売上を伸ばすことができないことが予想されました。


組織の中で変革のための適切なナレッジがなかった

廣瀬様:当時の営業部門では御用聞きの営業だけではなくて、お客様に対してご提案を差し上げる営業にシフトをしなければいけないと感じていました。ただ、ベテランの営業も御用聞きで実績をあげてきたり、ネットワークやOA機器の保守出身であったりと、組織の中でもお手本となるような”提案営業”ができるメンバーがあまりいませんでした。

また、一部のメンバーが先進的に提案営業を実践していても、一定数多くお客様のもとへ足繁く通っていれば売上が立ってしまうため、組織としてどうしても変革に対して確信が持てず、古いやり方に戻ってしまったりを繰り返してしまっておりました。

そのような課題がある中で、一人一人の個人が実践をするだけではなく提案型の営業に変革をするために、SALESCOREさんへ伴奏支援をいただくことを意思決定いたしました。


営業組織の変革をしていく上で何に取り組んでいったのでしょうか?


営業活動のほとんどの時間を営業活動以外に費やしていた

高橋様:最初にリソースアンケートをやったのですが、これが凄くよかったです。実際にリソースを可視化してみるとほとんどが営業活動以外で実際は保守業務、営業資料作成、移動、社内MTGなどに時間を費やしていました。

深ぼっていくと移動時間が多いのは、事前に電話でアポイントをとってから訪問しているのではなく、既存のお客様先へ飛び込みで訪問していることがわかりました。また、あるお客様先から次のお客様先への移動時間がかなりかかっていることがわかりました。

これが起点となって、生産性を向上させるために後のテリトリー制(エリアによって営業担当をわける制度)や内外勤制(内勤と呼ばれる社内でアポイント獲得業務や提案書の作成をする日と外勤と呼ばれるお客様先への訪問を行う日)の実施につながりました。


廣瀬様:いままでは営業としてとりあえず外にでないといけないという思いが強く、外に出ているという感じでした。帰社後確認してみると、本当は用もないのに行った上に、

「お客様がいませんでした」と報告も受けることがありました。

今はそのようなことがなくなり、事前にアポイントをいただくために架電をし、お客様に提案を差し上げるようになっています。

元々感覚にはわかっていましたが、事実として目にすると営業のマネージャーも本人も、理解して行動変容せざるを得ないですからね。










KPIベースで成功事例を自分で探して行動に移すことができるように

高橋様:SALESCOREさんに入っていただく前までは、営業組織としての結果がなかなか出ないことに対して単純に活動量が少ないから、もっと頑張らなければいけないと考えている人もいたのですが、根本から間違っていたと思います。
訪問数に関しても認識がバラバラであてもなく行ってきてダメでしたけど一生懸命頑張りましたというのがゴールという状態でした。その状態からきちんと分解したKPIを設定し、各KPIの定義を決めることができたのが非常によかったです。

もともと営業に慣れていないメンバーが多かったのでお客様に何かを売る、受注を持って帰ってくるという意識があまりなかったです。それが今では全員が統一されたプロセスやKPIに従って同じやり方をするようになったので、営業ができている人とできていない人が非常にわかりやすくなりました。

また、SALESCOREで成功事例を自分で探して行動に移すというのができるようになりましたし、そのやり方も接触面積・記録・計画・実行・吸収(独自の再現性のある営業組織のフレームワーク、5 Standards Model)と段階を踏んであって、このような仕組みは素晴らしいと思いますね。

※SALESCOREによるKPIの可視化 ※デモデータ


廣瀬様:会議において若手はもちろん全体的に営業メンバーの報告の質も良くなっていると思いますね。以前は訪問はしていたけれど、売上目標を達成するために具体的に何をすれば良いか考えていませんでした。マネジメント側もメンバーに発表はさせるけど、問いかけはしていなかったんですよね。深掘りして聞けていなかったり、真の課題に到達していない薄いヒアリングになってしまったりしていました。

それに比べると、今は次のアクションについてアウトプットする機会ができ、より考えて動かないといけない環境になったのかなと思います。

パーチェスポイントを整理し、商品の訴求方法を明確化

高橋様:パーチェスポイントを整理し、商品ごとの訴求について1人1人がパーチェスポイントに沿って商品ごとのPRをメンバーの前でする勉強会をやったりしました。

また、利益率の高い商品を明らかにしその商品を重点商材として設定しKPIとして重点商材数を定めることである月の目標達成をすることができました。


プログラムを通じて出てきた成果と今後の展望を教えてください

高橋様:数値的な変化として1月と3月の粗利を比較すると4.2倍も増加しています。もちろん外部要因もありますが受注数や案件数も1月に比べかなり上がりました。
定性的なところでも、営業活動の中で無駄なものが無くなったかなと思います。何をどれだけしなければいけないのか、そしてそれに紐づく数字も見える化してもらっているのでその辺の意識がみなさん凄く変わってきています。

あるメンバーは元々アポイントを取るために架電をすると反発気味だったのですが、今では当たり前にやっていて、この間「架電していないと気持ち悪い」と言っていました。

架電という文化がそもそもなかったのですが、やらなければいけないことという共通認識が組織で生まれました。


廣瀬様:今後、よりお客様先での面談内容を科学していきたいですね。基本的な行動としての変容は進んできましたから、ここからは質的な側面を上げるフェーズです。ヒアリングの品質、提案の品質向上などについても、ライブレコーディングや書き起こしなどを含めてツールの活用もしていきたいです。それを分析していくと、どこに問題があるとか諸々できることが増えると思います。


廣瀬様、高橋様、貴重なお話ありがとうございました!!