営業担当者によって成果に大きく差が出ている場合は、「営業プロセス」の標準化を進めることが有効です。リード選定・クロージング・商談などの各ステップでベストプラクティスを設定することで、チーム全体の営業力を高められます。
しかしながら、
・適切な営業プロセスの組み方がわからない
・自社の営業プロセスが正しいか分からない
といったお悩みも多いのではないでしょうか?
本記事では、営業プロセスの標準化を進めるメリット、手順、ポイントなどを紹介します。
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営業活動と営業プロセスの違い
まずは「営業活動」と「営業プロセス」の違いを明確にしましょう。
営業活動とは、企業が利益を上げるために行う一連の行動のことです。具体的には、リードの選定、アポイントメントの取得、ヒアリング、プレゼンテーション、クロージング、商談などが挙げられます。
一方、営業プロセスとは、営業活動の手順、各部門との連携、数値(例:リード数)などを可視化したものを指します。主な目的は、営業担当者によって異なる営業活動を標準化することで、組織的に一貫した営業活動を行うことです。それによって、属人化の解消に加え、営業品質や顧客の満足度、管理効率の向上などが期待でき、再現性が高く強い営業組織を構築することができます。
参考記事:売れ続ける組織になるための営業の再現性の作り方とは
営業の属人化とは
営業の属人化とは、営業活動に関する情報がチームに共有されることなく、担当者個人に依存した形で業務が行われている状態を指します。ここでいう「情報」とは、営業活動の進捗状況や顧客・取引先に関する情報はもちろん、成果を出すために有用なスキルやノウハウも含みます。
属人化が生じると、組織全体で安定した成果を出せなくなったり、情報共有の不備からトラブルが生じたりと、さまざまな問題が生じやすくなります。
参考記事:営業の属人化を解消する7つの方法。企業が陥りがちな属人化の対処法を解説
「営業プロセス」が必要な組織とは
特に次のような組織は、営業プロセスの標準化を進めることで、生産性の向上が期待できます。
営業活動が属人化している組織
まず、「チーム全体の売上が一部のトップ営業担当者に依存している」といった組織です。このような組織は、トップ営業担当者が退職すると、一気にチームや組織全体の業績が大幅に悪化してしまうリスクがあります。
それを回避するため、営業プロセスの標準化を通して、組織全体でノウハウや知識、戦略を共有することが大切です。そうすることで、チーム全体の営業力の底上げにつながります。
営業活動で何から改善に着手すればいいかわかっていない組織
組織全体に一貫した営業戦略がなく、各営業担当者が場当たり的な営業活動を行っている場合、営業プロセスの標準化が急務です。明確化された営業戦略がなければ、営業担当者は何を優先すればよいのかわかりません。
例えば、顧客から値引きの交渉があった場合、「承諾して少しでも売上を上げる」のか、それとも「他の顧客に不平等さを感じさせるので、承諾しない」のかなど、判断に迷うシーンは多々あります。一定の裁量は確保するべきですが、根本的な営業戦略や判断基準がなければ、営業効率が悪くなるだけでなく、顧客満足度の低下、競争力の低下などを招きかねません。
そうした事態を避けるためにも、営業プロセスの標準化を進め、一貫した営業活動を行えるようにしましょう。
営業プロセス作成のメリット
標準的な営業プロセスを作成することには、営業スキルの標準化・底上げに加えて、次のようなメリットが期待できます。
目標達成の確度がアップする
標準的な営業プロセスを組織全体で共有・運用することで、営業活動におけるベストプラクティスが構築されます。それを活用すれば、ベテラン以外の営業担当者も成果を上げやすくなるでしょう。
また、新しく配属された営業担当者へのトレーニングも容易になります。プロセスに戦略や目標などが組み込まれていると、目標達成までの道筋がはっきりしやすくなるのもメリットです。
実際に、スパイダープラス株式会社ではSALESCOREを活用して営業プロセスを可視化し、営業で起きていることを全部データで見える化した結果、目標に対する現状や課題が把握できるようになり、思い切った打ち手を打てるようになったという事例があります。1Qと4Q対比で新規営業の生産性が1人あたり約160%上がり、売上は245%増加しました。(1Q : 2023年1月-3月 / 4Q : 2023年10月-12月)
参考記事:1人あたりの生産性約160%、売上245%増加。より高い成長目標を達成するために作った組織の”当たり前”とは?
加えて、顧客への対応にも一貫性が生まれるので、顧客との信頼関係を築きやすくなり、顧客生涯価値(LTV)の最大化につながります。
顧客生涯価値とは
顧客生涯価値(LTV)は、顧客が自社と取引を開始してから修了するまでの期間に、その顧客が企業にもたらす利益の総額を表す指標です。LTVの計算式は、平均顧客単価×収益率×購買頻度×継続期間です。
営業活動の進捗管理が明確になる
営業プロセスが明確化されていれば、各案件が「リード選定」「価格交渉」など、どのステップにあるのかを把握できるので、進行状況を管理しやすくなります。
また、営業活動のパフォーマンスを定量的に継続して測ることで、商談の成否、売上の予測なども、より正確に行えるようになります。問題が生じているステップも把握しやすくなるので、速やかで適切なフォローアップが可能です。
営業活動での課題(ボトルネック)が見つかる
標準的な営業プロセスを作成するにあたっては、まずは各営業担当者の現状のプロセスを聞き取ることが大切です。それらを比較・分析することで、問題点や克服するべき課題点が明確にできます。
営業プロセスを標準化した後も、行き詰まりがちなステップや営業担当者間での成果の差異などを比較すれば、自社の営業活動におけるボトルネックの発見が可能です。それによって、現状の営業をより効果的なプロセスへと発展させていけます。
例えば、ITツール「SALESCORE」を活用して営業プロセスを可視化・標準化した場合、SALESCOREのダッシュボードでは自動的に営業日ベースで「今日時点でこの%を達成できてないと月末に未達になる」という%を算出し、必要な進捗率と比較してそれより数字が大きければ緑色、小さければ赤色に色分けして表示されるため、どこがボトルネックなのかが簡単に特定することができます。
下のSALESCOREの画面イメージでは、山田さんは面談数は進捗がいいですが、案件数の進捗が悪いため、面談時のPRの質が低い、または面談先がターゲットではないという課題がありそうだと仮説を立てることができます。
▲ITツール「SALESCORE」を使用し、営業プロセスを可視化した際の画面イメージ。
SALESCOREについて
SALESCOREは、弊社SALESCORE株式会社が提供する、データドリブンな営業組織作りをサポートするSaaSです。業界・規模問わず、幅広いお客様にご導入いただいています。
SALESCORE Visualizeは、営業支援システムと連携した予実管理ダッシュボードで、ダッシュボードから目標(予算)設定し、営業支援システムを始めとした複数のソースと連携することで、KPIを可視化するとともに、予実をリアルタイムで自動表示することができます。
KPIの数値をクリックすると、集計元となるレポートが表示されます。そのため、各案件の詳細について正確に把握できるとともに、それらの一次データを基に適切な改善策をその場ですぐに考えることができます。
UI上でグラフやピボットを用いた高度な分析も可能です。従来、営業のボトルネック特定のためにかかっていた時間を80%削減できます。
また、営業支援システムへの情報の入力をExcelライクに行えるSALESCORE Syncを活用することで、入力時間を60%削減することができます。
公式HP:SALESCORE
営業担当者のモチベーション維持につながる
営業活動に苦手意識を抱いている人が成果を上げやすくなるのも、メリットのひとつです。プロセスに応じた具体的目標が設定されていれば、それをこまめに達成することで成功体験を積みやすくなるので、モチベーションの向上が期待できます。
進捗が滞っている場合も、課題が顕在化されるため、周囲がサポートしやすくなるでしょう。そのため、各営業担当者が孤立することも避けられます。
営業プロセス作成のポイント
標準的な営業プロセスを作成する際は、次の点に気を配りながら行いましょう。
標準となる営業ステップを抽出する
まずは、成果を上げている営業担当者をはじめ、各営業担当者から自分自身の活動について聞きながら、現状のプロセスを可視化してください。その上で、自社における理想的なプロセスが何かを考慮しながら、営業プロセスの大枠を設定しましょう。
一般的には、以下の6つのステップに分けることができます。
①見込み客(リード)の選定
②アポイント獲得
③商談
④クロージング(テストクロージング、クロージング、契約締結)
⑤受注(契約後の流れの説明、他部門への引き継ぎなど)
⑥顧客のファン化
営業ステップはなるべくシンプルに
各ステップは必要以上に細分化しないようにしましょう。あまりにも複雑で、各営業担当者の主体性を制限し過ぎると、「やらされ感」が強まり、モチベーションの低下を招きかねません。
また、柔軟性が求められる場面で、スピーディに動けなくなってしまうという問題もあります。最初はシンプルな設計にし、運用を始めてから、状況に合わせて適宜変更を加えていきましょう。
その際は、メンバー間ですれ違いが生まれないように、各ステップの定義を統一することも忘れないようにしてください。
各ステップの具体的行動を定義する
ステップごとに何をするのかを明確化します。具体的な作業だけでなく、目的、数値(受注確度、受注見込金額など)、各ステップの関係者(業務に携わる部門、クライアント、コンプライアンス部門など)なども洗い出しながら、簡単な記号や図を用いて視覚化しましょう。
営業プロセスの可視化の例
標準化した営業プロセスを継続的に可視化させるには、次のような方法を取ってください。
案件量管理
営業支援システムなどを活用しながら、全体の案件数と、各案件の進捗状況、行動履歴などを管理するのが有効です。データを蓄積することで、将来的な売上予測の精度が高くなります。また、案件量が多い場合に、案件に優先順位を付けた上で、より重要で確度が高い案件に人材を投入するといった判断もできます。
顧客管理システムとは
顧客管理システムは顧客情報を一元管理するためのITツールです。顧客の基本情報や商談履歴、購買履歴などのデータを一元的に管理・共有し、営業チーム全体で一貫した顧客対応をするために役立ちます。
進捗管理
同じく営業支援システムなどで、各案件の進捗管理を行います。その際は、「ヒアリング:受注率60%、見積もり:受注率80%」など、各ステップにおける受注率も算出しましょう。「割引率を決定するための稟議に時間がかかっている」など、ステップごとの課題点を発見しやすくなるので、「割引率の交渉におけるプロセスを簡素化する」などの取り組みも実践できます。
行動管理
商談件数や見積もり数、有効商談数など、各指標を数値化して集計・評価します。各指標の目標値(KPI)も設定しましょう。そうすることで、「リード数に対して成約に至った商談数が少ないので、リード選定の時点で確度を高くする」など、データに基づく課題・対策の分析が可能です。
KPIとは
KPI(Key Performance Indicator)とは、組織が定めた最終目標を達成するために、途中の各段階に設けた数値目標であり、重要業績評価指標と訳されます。
例えば年間売り上げを前年よりも1億円アップするという目標を設定した場合、その目標を達成するために1週間あたり新規リード数を25件獲得する、というような具体的な目標がKPIです。
参考記事:成果の出る営業KPI設計方法をご紹介!強い営業組織の設計方法とは?
まとめ
営業プロセスを標準化させることで、組織全体として一貫した営業活動ができるようになります。それによって、生産性と効率性の向上、顧客満足度の向上、競争力の強化などのメリットが得られます。
その際は、SALESCOREなどの営業支援システムを利活用すると、各案件の進捗や行動履歴などのデータを管理しやすくなります。長期的な売上予測なども高精度化するため、ぜひ導入を検討してください。
営業組織を圧倒的に強化するなら「SALESCORE」!
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