売上を上げ続けることができる強い営業組織は、再現性が高いことを以前の記事でご紹介しました。
詳しくは「再現性のある営業組織とは?」をご参照ください。
そのような強い営業組織には、強い「文化」が根付いています。
では、どんな文化を、どのようにしてつくり、浸透させていけばよいのでしょうか。
本記事では、再現性のある強い営業組織の文化をつくるフレームワーク"5 Standards Model"について解説します。
本記事を読んでいただくと、
5 Standards Modelの概要
5 Standards Modelを取り入れるメリットと注意点
について理解することができます。
トップパフォーマーに依存しない営業組織に変革したい方や、今後の組織拡大を見据えて基盤を整えたい方は、ご一読いただければ幸いです。
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再現性のある強い営業組織に変革する必要性
突然ですが、皆さんの会社の営業組織は次の①~③について、いくつ当てはまりますか?
①組織で最適化された営業プロセス等が定められているため、行動と結果の因果関係が明確
②各人のパフォーマンスが高いレベルで均一
③お客様と接触する機会が多く、営業の質やナレッジ共有の水準が高い
上記①〜③は、再現性のある強い営業組織が共通してもっている特徴です。
反対に、再現性の低い属人的な営業組織は①〜③の逆になります。
再現性が低い営業組織の場合、ハイパフォーマー以外があまり売ることができないため、ハイパフォーマーが退職等で抜けてしまうと、大きな痛手となってしまいます。
一方、再現性のある強い営業組織の場合、たとえハイパフォーマーが組織から抜けたとしても、他の社員も平均以上の成果を出すことができるので、一定の影響はあるものの、致命傷になることはありません。
また、受注率を改善したいとなったとき、ハイパフォーマーが頑張って起こせる会社の伸び幅と、ローパフォーマーの受注率を引き上げたときに起こせる会社の伸び幅を試算すると、後者の方が伸び幅が大きくなるということが多くあります。
以上のことからもわかるように、ハイパフォーマー頼みの属人的な組織であることは、雇用が流動化している現在、非常にリスキーですし、トップパフォーマーをさらに伸ばすよりもボトムアップした方が比較的簡単に会社の業績を伸ばせる可能性が高いです。
もし、皆様の会社の営業組織の再現性が低い場合、再現性のある強い組織に変革することを強くお勧めします。
5 Standards Modelとは
では、再現性の高い組織にするためには、何から取り組んでいくべきでしょうか。
そこで重要なのが「5 Standards Model」づくりです。
弊社では再現性が高く、売上を上げ続けている営業組織に共通する文化を世の中で強いと言われる営業組織の営業組織から抽出し、モデル化しています。
これを「5Standards Model」と呼んでいます。
5 Standards Modelは下の画像のようにカテゴリーに分かれています。
「接触面積」は営業時間内に生み出せるお客様との接点の量の水準です。
営業活動において、量は非常に重要です。
次に、営業の質を高める水準として「記録」「計画」「実行」の3つがあります。
「記録」はSFAなどに入力される情報の粒度・精度の高さなどの水準で、このデータをもとに立てたプランの精度の高さが「計画」、そして計画をどれだけ徹底度高く実行に移せているかを示す水準が「実行」です。これら3つの水準はPDCAサイクルを回しながら高めていく必要があります。
これまでの4つの水準は個人で高めていくものですが、最後の「吸収」は他の営業の案件や良い工夫から学んで実行していく貪欲さの水準です。
以上のように5つの水準があり、売上を上げ続けている営業組織はこれらの5つの水準が高い状態であるという特徴があります。
しかし、これらの水準についてはすべての組織に「高める余地があり続ける」と考えています。つまり、基本的に5 Standards Modelの何かが常に足りてない状態であり、何かしらのアクションをとり続ける必要があります。
5 Standards Modelの水準を高めるメリット
5 Standards Modelの水準を高めるメリットは2つあります。
- 業界や企業、マーケット環境によらない強い営業組織の文化を構築することができる
- 各要素の水準を高めていくことで、営業成果の再現性・チームとしての価値の最大化
強い営業組織の文化をつくる
組織の文化は
誰かがやる→自分にもできるかも→みんながやる→それがあたりまえになる(文化になる)
という流れで醸成されていきます。
新卒で入社したばかりの社員に「今日は1000件、架電しなさい」と言ったら、
学生時代にアルバイトなどで架電の経験がない限り、その社員は
「1日にそんなに電話することができるのか?」と戸惑ったり、
無理難題を押し付けられているのではないかと疑心暗鬼になってしまうかもしれません。
しかし、1日に100件架電することがその営業組織の”当たり前”で、自分以外の営業は毎日ちゃんと100件架電していることがわかったら、「自分にもできるかもしれない」と必死に架電するでしょう。
慣れてくると、次第に自分で工夫して1日に101件、102件と架電することができるようになります。
この1件でも組織の水準以上のアクションをおこなう姿勢が、組織の文化づくりにおいて大きな価値があります。
その後、組織全体で100件ではなく、当たり前に101件架電できるようになると、100人の組織の場合、以前のプラス100件分の成果を出すことができるようになります。
強い営業組織の文化をつくる上で注意すべきこと
強い営業組織の文化をつくる上で重要なことは、「例外を認めない」ことです。
もし、自社の営業組織の中で年1億円規模の売上を上げるトップ営業がアポに行くと言っていたのに、実は行っていなかったことが判明したとき、皆さんはどんな判断をくだしますか?
見逃しますか?厳重注意にとどめますか?それとも、降格処分にしますか?
これは実際にあった事例で、この営業が所属していた会社は迷わず降格処分を下しました。
売上の面で見た場合、その営業の存在は会社にとってかなりのプラスです。
しかし、1人がつくった例外が周りに影響を与え、文化を壊してしまうインパクトのほうが大きく、それでその人が辞めることになっても致し方無いとその会社は判断したのです。
まとめ
いかがでしたか。
5 Standards Modelの大枠について、ご理解いただけたかと思います。
5 Standards Modelの各水準の詳細や、高めていく方法について詳しく知りたい方は次の記事も是非ご覧ください。
組織文化は一朝一夕でつくることはできません。
だからこそ、強い営業組織に必要な文化をつくり、根付かせることができれば、他社と大きな差を付けることができます。
本記事が皆様の組織づくりの一助となりましたら幸いです。
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