スパイダープラス株式会社

1人あたりの生産性約160%、売上245%増加。より高い成長目標を達成するために作った組織の”当たり前”とは?

今回お話をお伺いしたのは、スパイダープラス株式会社 執行役員 ビジネスグループ商品企画部長の三浦さんと、営業企画部チームリーダーの阿部さん。事業戦略を策定する中で、より高い成長目標を達成するためには営業1人1人の生産性を上げ、売上を伸ばせるよう、営業組織の文化や業務プロセスを変革する必要があると感じ、その一環でSALESCOREの導入を決意されました。取り組み当初抱えていた課題やご導入いただいた背景、導入後の変化、今後の展望についてお伺いしました。

サマリ

  • 現状や課題の把握度を上げるため、営業プロセスを可視化し、営業で起きていることを全部データで見える化した。その結果、思い切った打ち手を打てるようになった

  • SALESCORE導入後、入力を徹底したり、組織内でデータを基に議論したりするようになり、それが組織の”当たり前”として根付いてきた

  • 1Qと4Q対比で新規営業の生産性が1人あたり約160%上がり、売上は245%増加した。(1Q : 2023年1月-3月 / 4Q : 2023年10月-12月)

  • 今後は、SALESCOREを活用して記録の残し方の型を作るとともに、誰が見ても同じ見方ができるレポートフォーマットを作りたい。そして、よりデータドリブンな組織を目指していきたい


SALESCOREで営業プロセスを可視化し、データドリブンな組織へ

ーーー組織のミッションと、三浦様個人としてのミッションを教えてください。

三浦様:昨年、私は執行役員の営業企画部長という立場だったため、事業戦略の策定という大きなミッションがありました。この事業戦略を考える中で、より高い成長目標を達成するためには、まずセールスを変革する必要があると感じました。そこで、セールス組織の文化や業務プロセスなどを改善して1人1人の生産性を上げ、売上を伸ばすことを組織のミッションとして掲げ、重点的に取り組んでいました。

阿部 光太郎さん/三浦 慶介さん


ーーー当時の組織の課題やご導入いただいた背景を教えてください

三浦様:掲げていたミッション達成のための打ち手として戦略を練り直す必要がありましたが、セールスのどこが課題になっているかが不明瞭で、適切な打ち手がわからないことが課題でした。

そこで、それまでの営業戦略を見直し、標準機能の利用者数を増やす方針から、売上全体を増やす目標を追いかけることにしました。その場合、オプションを売った方が効率がいいため、既存顧客にオプションを積極的に売っていくとともに、オプションが売れるよう現場で導入実績を作るなど、より能動的な営業活動を行うようにしました。

さらに、営業活動をより正確に把握し、改善しやすいよう、SFAの入れ替えを行いました。各案件の状況等をKintoneに記録していくことにしたのですが、KintoneのBI機能では我々がやりたいことができなかったため、BIについては他のツールを検討することにしました。その結果、営業のことを理解している会社が作っているBIツールということでSALESCOREの導入を決めました。


ーーーSALESCORE導⼊時に設定していたビジネスゴールについて教えてください

三浦様:営業プロセスを可視化することから始めましたが、今はデータドリブンな組織にすることを目標に、前週比・前月比、目標に対する達成進捗など様々な軸で把握するようにしています。

営業で起きていることを全部数字で見える化することによって、現状の把握度が上がります。そして、そこから”おいしい数字”を見つけて改善していくことが大きな伸びしろだと思っています。全体の成約率だけではなく、セグメント別や、リードタイムの基準を変更した際の成約率の課題など、議論すべきことが多々あると思います。どの数字を、どの切り口で見て、どのように組織の生産性を戦略的に高めていくか、課長やマネージャーレベルで考え、持続的に改善できる組織を今の段階では目指しています。導入当時は、私がトップダウン方式で数字から意思決定まで責任をもって行っていましたが、今は皆で数字を見る段階に変わってきていると思います。


SALESCOREを活用。その結果、生産性1人あたり約160%、売上245%増加。

ーーー組織に浸透させていく中で、ブロッカーや上⼿くいかなかったことはありましたか?

三浦様:当時、営業が記録したり、データを見たい形で収集したりする部分にネックがあったため、数字をしっかり見れるようにするのが大変でした。そのような状況を改善するため、部長から課長までとにかく入力することを徹底しました。それに加え、初めの3ヶ月間は課長陣と積極的にコミュニケーションを取り、課長1人1人について把握するよう務めました。その結果、SALESCOREを導入してから3ヶ月後には以前よりも数字を見られるようになりました。現在では、課長に集まってくるKPIや数字を毎週全体会と課会・部会で確認し、それを基に議論するようにしています。そのため、「SFAが入力されていない=仕事していない」という共通認識が組織内に生まれました。

▲SALESCORE 画面 1(※イメージ画像)


ヨミの評価についても、個々人には日々見直し、課長も最低週一回はレビューするよう指導しました。それが組織の”当たり前”として根付きつつあります。運用開始当初は、数字が入力されていない場合、SALESCOREでKintoneの商談履歴等を見られるようにしてもらったので、その画面のキャプチャを課長に送って催促していました。他にも、商談履歴の内容を見てヨミの評価を再考するよう指摘したり、逆にできている人の書き方を共有したりして、しっかり見ていることをアピールしていました。徹底すべきことについてはしっかりと言うことが大切だと思います。

加えて、月一のセールス総会で個人別活動量ランキングを発表するようにしました。発表する際は、SALESCOREからCSVをダウンロードしてソートし、Excelでグラフを作っています。CSVデータは自由に加工できるので、非常に使い勝手がいいです。


阿部様:SALESCOREで案件の状況を一覧で見れるようになり、とても助かっています。Kintoneではアプリを跨いだ集計ができないため、初回商談で1つ記録をつけたら、それ以降の活動はまた別で管理する必要があります。そういったプラス1、2ができてしまうと大変です。それがまとめて集計できるのはいいですね。


三浦様:それができないと、例えばランキングで上位でも、商談の数だけ多いけど質が伴っていないということも起こり得ます。そうならないためにも、ローデータは必ず確認する必要があります。そういった意味でも、CSVダウンロードは画面のキャプチャ以上に使っていました。個人別活動量ランキングのような取り組みを行うことによって、活動して当たり前、記入して当たり前という空気感が出てきたと思います。以前と比べると、完全に別会社のようです。

▲SALESCORE 画面 2(※イメージ画像)


ーーーSALESCORE導入後、営業活動の分析の流れに変化はありましたか?

三浦様:SALESCORE導入後、目標に対して現状が把握できるようになり、現状の課題が数字で語れるようになりました。さらに、それを部→課→個人の順にドリルダウンして見られるようになったことで、指導や戦術のバラつきなど様々な課題が見えるようになりました。そのため、課題に対して思い切った打ち手を打てるようになったと思います。

例えば、SALESCORE導入後に地方を中心に出張に行き、私自身で客先を回って営業トークをするようにしました。その試みの中で、ソリューション提案の部分に課題があることに気づきました。そこで、SALESCOREの数字を基に「こういうロジックで、最初からオプションを使うべきですと提案したらいいのではないか?」「フル機能で今の倍以上の価格で売り込んでも売れるのではないか?」など、出張先の所長や副所長と話し合いました。結果、それまで新規顧客に導入初期では機能を絞った提案していたところを、初期からフル機能で3倍くらいの単価の提案をすることにしました。最初は上手くいくか不安もありましたが、地方営業所を中心に意欲が高い営業が早速お客様に提案しに行ってくれました。お客様からは値段が上がったにもかかわらず「これだけできてこの価格は安いね」「これだったら今使っているものよりも良い」と言ってもらえるなど、好感触を得ることができました。それまでは値段を上げたら成約率が下がるのではないかと考えていましたが、結果的に下がりませんでした。このように、SALESCOREを導入したことによって、数字を基に意思決定できるようになりました。これは非常に大きい変化です。このことをきっかけに、営業組織にまた活気が戻ってきて、生産性もとても上がりました。例えば新規営業でいうと1Qと4Q対比で1人あたりの生産性が160%も上がり、売上は245%増加しました。(1Q : 2023年1月-3月 / 4Q : 2023年10月-12月)


現場レベルで考え、改善していける組織を目指したい。そのためには社内統一のレポートフォーマットが必要

ーーー現在、SALESCOREのどのような点に価値を感じていますか?

三浦様:SALESCOREに感じている価値は、やはり案件の可視化ができることと、CSVでデータを出力し、加工できることです。他にも、商談を一覧化して見るレポートを作成する際に、統一したフォーマットで作成できるのがすごく便利だと思います。


阿部様:全員同じフォーマットで見られて、その構築が簡単な方が使い勝手がいいです。SALESCOREのダッシュボードの場合、同じフォーマットで組織全体で見ることができます。そのため、現在社内ではSALESCOREのフォーマットで統一しています。


三浦様:個人的に一番良いと思うのは、予実管理です。SALESCOREで目標対比が見えるようになり、そして純増がいくら、契約・解約がいくらなど、進捗の内訳をすぐにドリルダウンして見ることができるようになりました。SALESCOREはUI/UXが良いので、「できたらいいな」を実現しやすいです。また、SALESCOREはよくあるSFAのグラフでは分かりにくい細かい数字まで見れるため、よりシビアに営業数字を把握・管理することができます。


ーーーSALESCOREを活用した営業組織の今後の展望について教えてください

三浦様:各案件についてより過不足なく記録していけるよう、記録の残し方の型を作る必要があります。加えて、大事なことが組織全体で集中して行われている状態にするためには、誰が見ても同じ見方ができるレポートフォーマットが必要です。それをSALESCOREを活用しながら実現できたらと考えています。

私たち営業の手法は、これからどんどん複雑化していくのは確実です。単にIT商品を売っていればいいという状態は、今年が最後だと感じています。今後、様々な新しい商品を売ることになると思います。それこそ弊社ではBPOサービスを拡充していますが、その時にBPOとITの売上を同じように管理していると、粗利が違うので営業側に不公平感が出てしまいます。その評価をレポートに反映した時、意図した動き方をしてもらえるようなレポートを作れるよう、模索する必要があります。現在、私がいる商品企画という立場からも、例えば営業は売上より粗利評価に変えるべきかという議論をそろそろ始めないといけないと思っています。粗利評価にすると、今度は粗利が高いところに短期的に飛びついてしまうなど、様々な問題が考えられます。戦略と紐づいたプロセス管理のためのレポートを考える際は、SALESCOREにも手を加える日が来るでしょう。今はそこに至るまでの道の途中だと私は解釈しています。


阿部様:現場寄りの話しをすると、SALESCOREのダッシュボードを見て、メンバーが個々人でPDCAを回せるようになるといいと思います。例えば、行動をどれくらいして、そこからどれくらい商談化したのかを見る時、せっかくSALESCOREのダッシュボードで移行率や転換率が見れるようになっているので、他のメンバーと比較して自分の行動数はどれくらいか確認したり、最終的なKGIが達成できていない場合は行動数が足りなかったのか、それとも他のメンバーと比べて転換率にネックがあるのか等を自分で判断したり、部長と話しながら改善プロセスを作っていける状態になるといいですね。


ー三浦さん、阿部さん、貴重なお話ありがとうございました!
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