株式会社プレイド

プレイドの新規事業で営業とカスタマーサクセスの土台構築をSALESCOREで実現

「データによって人の価値を最大化する」ことをミッションとし、CX(顧客体験)プラットフォーム「KARTE」や「KARTE Datahub」等の開発・運営をおこなう株式会社プレイド(以下、プレイド)。

昨年、クッキーレス時代に自社データの広告活用を可能にするプロダクト「KARTE Signals」の提供を開始。この事業をさらに軌道に乗せるため、組織改革に取り組んでいる。プレイドの笠原 元輝さん(プロダクトスペシャリスト)にSALESCOREを導入したきっかけや活用のための具体的な取り組みをうかがった。


はじめに貴社の事業内容について教えてください

笠原:弊社は2015年にリリースした、ウェブサイトやアプリを利用するユーザの行動をリアルタイムに解析して一人ひとりを可視化し、個々のユーザにあわせた自由なコミュニケーションをワンストップで実現するCX(顧客体験)プラットフォーム「KARTE」とそこに集まる「1st Party Customer Data」を中心に、様々なプロダクトやソリューション、サービスを展開しています。私は、その中でも2022年に提供を開始したばかりの新規事業「KARTE Signals」の開発・販売に携わっています。


事業における組織のミッションと笠原様のミッションを教えてください

笠原:組織のミッションは、さまざまなデータを広告ソリューションと連携させることによって、誰もがより簡単に広告を配信できるようにし、かつ長期的に広告運用ができるよう運用工程を自動化・最適化することです。そのような組織のミッションを推進するためのプロダクトを開発・実現することが私自身のミッションですね。


SALESCOREの導入をする以前、営業組織ではどのような課題がありましたか?

どういう活動をすれば営業目標が達成できるというKPIを設定できていなかった

笠原:「KARTE Signals」は立ち上げたばかりの新規事業でしたので、事業を成長させていくためにも、KPIを設定して短期間で目標達成を目指したり、より効果的なKPIを見つけるためにさまざまなKPIを試したりする必要がありました。

事業計画はあったのですが、立ち上げ当初はどのような活動をすれば営業目標が達成できる、というKPIまでは設定できておりませんでした。それがゆえに営業目標と現状のギャップを埋めるための道筋があまり見えていませんでした。またKPI運用には営業データの蓄積と活用が重要となりますが、その点に課題がありました。

全社でSalesforceを活用していますが、新規事業のチームなのでSalesforce利用経験がないメンバーもいて、入力に慣れていなかったり、定例で使用するデータ抽出や表作成に時間がかかったりしていました。結果として営業データが正確に蓄積されず、営業状況がわかりづらかったり、営業活動をタイムリーに追うことが難しかったです。すなわち営業活動の管理ができていない状況です。

加えて、KPIのサイクルを高速に回そうとした際に、Salesforce上に新しい項目を一時的に追加・削除を繰り返すとなると、社内のSalesforce運用担当に負荷がかかったり、対応スピード感が合わないことがありました。


SALESCOREを導入後、課題だった行動管理とKPIに関してどのような取り組みをされていますか?また、その取り組みによってどのような変化がありましたか?

ネクストアクション漏れを6割から1割まで抑えることができた

笠原:営業活動管理は営業のネクストアクション漏れを無くすことと商談をしているお客様と今どうなっているのかといった商談フェーズの可視化から着手しました。

ネクストアクション漏れは、毎週確認しています。SALESCOREでネクストアクションの実施状況をダッシュボードで可視化し、メンバーが忙しい中でも何が進んでいないのかを簡単にわかるように工夫しました。

しっかりと定着してきたのは最近で、正確にビフォア・アフターを出していませんが、体感で以前は6割くらい漏れていたのが、今では1割くらいに減ったかなと思います。

商談フェーズの可視化に関しては、SALESCOREのダッシュボードを開きながら、営業会議で各商談に対して今どのフェーズにいて、どういう状況かがリアルタイムにわかるようになりました。

次のSTEPとしては商談の客観的なレビューを定常的に回すことが重要だと思っています。会議で共有した情報を踏まえて、「前回はこうだったから、そのクライアントはこうすれば引きあがるよね」「そもそもこのクライアントには前回、ネクストアクションである電話をした際どうだったのか、次は何をするのか」というように、商談フェーズを進捗するための活動を徹底していきたいです。

ネクストアクションや商談フェーズを一覧で管理


営業会議での会話がタスク確認から、本質的な活動を話す内容に変わり始めた

笠原:KPI管理は新規商談の創出数や、今商談しているお客様のヨミ管理を中心に取り組んでいます。特にヨミ管理ではフェーズのみを見ており、金額は結果指標としては見ていますが、先行指標としては見ていないです。

KPI運用が回り始めたことで、何よりも会議の中で話す内容が明らかに変わりました。はじめは営業の行動の抜け漏れを確認することも多かったのですが、今では営業における行動が適切だったかというところまで話す機会が増えてきましたね。

また、お客様が滞留していないか、過去のお客様がどういう状態かも以前は見れていなかったのですが、そういったことにも意識を向けることができるようになったと思います。


SALESCOREを導入して課題を改善していこうとしたとき、営業組織内で障壁となったことや進めづらかったこと、そのために工夫した事があったら教えてください

SALESCOREで営業データを見る習慣づくりが重要

笠原:運用に乗せるまでは一定パワーは必要でしたね。どのツールやプロダクトでも同じだと思いますが、新しいものが入った時は習慣が無いわけですから。

習慣化するために会議だけでなく、積極的にSALESCOREに入っているデータを提示したり、活用できるシーンをメンバーに伝えました。実際の営業活動でSalesforceの入力やデータ分析がスムーズになるということを実感してもらえると、メンバーの意識が向くようになりました。その結果、SALESCOREで営業データを見る習慣ができたと思います。


カスタマーサクセスでもSALESCOREをご活用いただいていますが、課題や導入後の変化について教えてください

オンボーディングの仕組み改善で顧客とカスタマーサクセス担当をフォローする

笠原:カスタマーサクセスでも営業同様、フェーズを追う必要があると思います。例えば、弊社のようなSaaSプロダクトだと顧客の業務フローの中で定着してもらうためのオンボーディングがあります。

当初のオンボーディングで発生していた課題は、顧客増加と複数のカスタマーサクセスが担当するなかで状態が把握しきれなくなったことです。そのためお客様の状況に合わせて、適切なご案内ができるようSALESCOREでオンボーディング状況の可視化にも取り組みました。

SALESCOREで担当別のオンボーディング状況のダッシュボードを作成したことで、「このお客様、ずっと滞留していてまずいですよね」といった会話や、滞留理由を確認しながら解決策を個別・オンボーディング内容・プロダクトの切り分けができるようになりました。

また、オンボーディングの各フェーズに必要な日数を暫定的に設定し、お客様が該当のフェーズにいることが適切でない場合、カスタマーサクセスに自動でアラートを出す仕組みを作ったのですが、初期では半数ほど滞留していましたが、今は1件も無いくらいです。オンボーディングの仕組み改善で顧客とカスタマーサクセス担当をフォローする仕組みができた点がよかったと思います。


SALESCOREを活用して、今後どのような営業組織に変えていきたいかなど展望をお伺いできればと思います

追うべきKPIの選択と集中をしていき、高速で仮説検証が回せる組織をつくっていきたい

笠原:当初の目的と変わらず、今後も高速で仮説検証が回せる組織をつくっていきたいと思っています。それに対して、最低限案件を進めるために行動を管理するということについては定着し始めてきました。今後は、追うべきKPIの選択と集中をしていきたいです。今の組織の状態では、必要なKPIすべてを追うのは難しいと感じています。そのため、最小限に絞ったKPIを追うというところからスタ―トさせていきたいと考えています。ゆくゆくはKPIを増やしていきながら、変えられる行動の総量を増やしていきたいです。


最後に、セールスイネーブルメントとして現在取り組まれていることや今後の展望についてお教えください

PDCAを高速で回していくことができる組織にしていきたい

笠原:前職の営業企画での経験や、現在の新規事業の推進・プロダクト開発の経験から、セールスイネーブルメントとは営業の行動を標準化し、それを組織の文化にしていくことだと考えています。行動を標準化しても、行動を管理し続けなければならない状態である場合、それは定着していないことと一緒だと思います。

セールスイネーブルメントにおいて「定着させること」は非常に重要です。そして同様に、何を定着させるかも大事です。多くの企業のセールスマネージャーは特に、ハイパフォーマーの行動規範を定着させたいと考えるでしょう。例にもれず、弊社でもそのように考えています。しかし事業成長を考慮した上で、どのような営業がハイパフォーマーであるという定義は簡単でないと思っています。そのためにも、まずはさまざまなことを検証しながら、営業が売上を上げることができる型をつくっていきたいと思っています。

そして、セールスイネーブルメントを通して仮説検証をおこないながら前進していくという組織文化・規範の仕組み化を今以上に進めていき、PDCAを高速で回していくことができる組織にしていきたいです。ですので、今後取り組みたい内容も、そこに紐づいたものになると思います。


ー笠原さん、貴重なお話ありがとうございました!
さらに詳しいSALESCOREの資料の請求はこちらから!