スマートキャンプ株式会社

メンバーが主体的に課題解決をできる状態へ。スマートキャンプ社のSALESCOREの活用方法とは?

今回はスマートキャンプ株式会社のBOXILカンパニー執行役員COOの石黒有晟さんと、BOXILカンパニー営業統括本部インサイドセールス部部長の吉田圭佑さんにお話をお伺いしました。同カンパニーでは、アカウントセールス部とインサイドセールス部でSALESCOREを導入いただいています。SaaS事業と展示会事業において各セールス部がどのようにSALESCOREを活用して営業組織の変革を実施したのかを、その結果と今後の展望も含め、お伺いしました。

サマリ

  • 以前、Salesforceに入力してからスプレッドシートで数値を分析するまでにタイムラグがあったため、重要な兆候に気づくのが遅れてしまい目標未達が続いた時期があった。SALESCORE導入後は転換率などの重要な項目もリアルタイムで見れるようになったため、気づきやすくなった

  • それまで土日を使って取り組まないと間に合わないくらいあったSalesforceへの入力作業が、SALESCORE Syncを導入した後、1時間でできるようになった。組織全体では30~40時間程度の削減につながった

  • SALESCOREでメンバー自身が数字を確認、分析し、そこから得られた仮説を基にアクションを変えるという文化が少しずつ根付いてきたので、今後はメンバーの発案でダッシュボードやKPIを変更したり、全体最適を考えたりすることができるようにしていきたい


分析時のタイムラグで、重要な変化に気づくのが遅れた

ーー会社の事業内容とミッションを教えてください。

石黒:スマートキャンプのビジョンは「Small Company, Big Business.」で、社内では”SCBB”と呼んでいます。端的に言うと、少人数のチームでも世の中をもっとよくできる、社会を動かせることを証明したいという意味が込められています。

このSCBBを達成した先には非効率が無くなった社会の実現があります。そこでミッションでは「テクノロジーで社会の非効率を無くす」を掲げています。


ーー組織としてのミッションと個人としてのミッションについて教えてください。

石黒:アカウントセールス部としてのミッションは、SaaS比較サイト「BOXIL SaaS」の有料掲載数を最大化させることです。さらに、2020年に新規事業として立ち上げ、今ではSaaS企業が一同に集うものとしては日本最大級に育った「BOXIL EXPO」というオンライン開催を中心とした展示会の出展件数の最大化も、最近ミッションに加わりました。

BOXILカンパニーでは、BOXIL SaaSとBOXIL EXPOの2つの事業を運営する中で、私は同カンパニーの執行役員をしていますので、個人のミッションは両事業の売上、利益目標を達成させることです。


吉田:インサイドセールス部は営業統括本部の1つの機能という位置づけなので、営業統括本部の目標であるBOXIL SaaSをNo.1の比較サイトにすること、BOXIL EXPOをより大きな展示会にするために、より多くの方にBOXIL SaaSやBOXIL EXPOに興味を持ってもらい、利用していただき、新規でお客様を開拓していくことがミッションになります。

吉田 圭佑さん/石黒 有晟さん


ーーSALESCOREをご導入された背景を教えてください。

石黒:弊社のメインのお客様はSaaS業界の企業なので、限られた数のお客様にどれだけ質の良い営業活動を実施し、その中でどれだけのお客様に弊社で掲載いただけるかということが非常に重要です。そのため、アカウントセールスの採用活動では優秀な方を採用するとともに、営業1人あたりの生産性をより最大化する方法を模索していました。

加えて、営業活動で得られた数字から営業メンバー自ら分析し、打ち手を打っていくというサイクルを作りたいとも考えていました。

そんな時、SALESCORE SyncやSALESCORE Visualizeの存在を知り、業務を効率化して浮いた時間をコア業務などに回すことで、営業1人あたりの生産性をより高めることができるのではないかと考え、SALESCOREを導入することを決めました。


吉田:当時のインサイドセールス部は、KGIを商談数、商談金額から受注金額に変更するというチャレンジをしていましたが、この変化に十分な対応ができず、未達成が続いていました。要因を考えた際に、未達成につながるシグナルの検知が遅れ、軌道修正がタイムリーに打てていなかったことが考えられました。

そもそもThe Model型で言う指標が手前から奥へと変わり、成果に関わる変数が多くなっていました。結果、見なければいけない指標も増え、それらを適切にモニタリングする設定が、Salesforceで組めていませんでした。

具体的には、Salesforceではリードの月次の推移や商談数の月次の推移といった、同じ指標の時系列の推移を出すことはできるものの、The Model型の組織形態にとって重要な、リードからどれだけ商談に進んだかや、商談から一番大切な受注にどれだけつながっているかなどの、いわゆる歩留まりや転換率の時系列推移のデータが抽出できていませんでした。

そのため、私が定期的にスプレッドシートで分析していましたが、リードから受注までの領域の歩留まりを出すのに工数がそれなりにかかってしまうため、シグナルの検知に数営業日単位でのタイムラグが発生していました。

このような状態を仕組みで解決するために色々と調べていた中で、SALESCOREを発見し、これは弊社のインサイドセールスにぴったりだと感じ、導入したいと思いました。


SALESCOREの価値はなにをするべきかすぐにわかること

ーーSALESCORE導入後、どのように活用されていますか?

石黒:まず、SALESCORE Visualizeについてです。弊社はBOXIL EXPO事業で展示会を主催しているのですが、過去から連続して出展していただいているお客様や、2年前は出展しているけれども、昨年は出展していないお客様など、お客様によって出展状況が異なります。そういった情報を基にTier1、Tier2、Tier3といった形でターゲットを決めていくのですが、それをSALESCORE Visualize上でTierごとの提案数や出展件数を確認し、各ターゲット群へどのくらい提案や受注をいただくべきか判断をする際に活用をしています。

あとは展示会を年に複数回、「営業・マーケティング」「財務・経理」「人事・総務・法務」など様々なテーマで開催しているのですが、それぞれのテーマに該当し出展いただけそうなお客様には極力提案するようにしています。ただ、時には出展いただけそうなお客様にも関わらず、現場の認識ミスなどで提案できていないことがあります。そういった提案状況もダッシュボードで確認しています。


吉田:SALESCORE Syncについては、2つの方法で活用しています。

1つ目はABM戦略に欠かせないターゲットランクの情報付与です。石黒が前述したTierのデータを、取引先に一括で紐づけています。

2つ目は商談の一括作成です。商談先の情報を記録するタイミングは商談が決まった時が一般的ですが、BOXIL EXPO事業ではアプローチ可能なリストという意味で、それを各展示会の開催が決まったタイミングで一斉に作成しています。

展示会の事業では、アプローチ先となり得るお客様が決まっていることと、それぞれのイベント開催期間によって予め営業終了日が決まっているので、ご出展いただけそうなお客様に漏れなく決められた営業期間内で提案しなければなりません。そのため、商談前にアプローチ可能なお客様リストを検討する段階からモニタリングする必要があるのです。

それにより、営業開始前から膨大な数の商談先の情報入力やそれらへのデータの紐づけといったタスクが発生するのですが、SALESCORE Syncを使えば一気に作成することができ、作業時間が短縮できます。

インサイドセールスの現場でもSALESCORE Visualizeを活用しています。例えば、「今回は計画よりも自分の転換率が低かったから、アクションを変えないといけない」と、メンバー自身が数字を見て分析し、そこから得られた仮説を基にアクションを変えることができています。それがSALESCORE Visualizeの良いところだと思います。

以前はメンバーがSalesforceを、マネジメントをしている私はSalesforceに加えスプレッドシートを使って分析していたのですが、SALESCORE導入後はリード数や商談数、受注数など”点”で分析していたのが、転換率も見られるようになったことで、メンバーも私もともに、リード数から受注数までを”線”で分析できるようになった気がします。

SALESCOREダッシュボードのイメージ( ※サンプルデータ)


ーーSALESCOREを導入してからどのような変化がありましたか?

石黒:インサイドセールスの改善の幅が大きかったと思います。今まで弊社は結果で管理する傾向が強かったのですが、その中でもインサイドセールスは接続率や、そこからどれだけアポイントにつながったかなど、様々な変数をちゃんと見られるようになってきました。未達成が続いた時期の後に、SALESCOREを活用したことによって目標に対して120%、130%と達成できるようになってきています。

展示会事業では、単価アップが実現できています。1企業あたりいくつ展示会を提案しているかなど、今まで見られていなかった数値をSALESCOREで見ながら議論していると、今まで十分に提案しきれていなかったんだということを感じます。適切なお客様に最適なタイミングでご提案をしていれば、もっと受注をいただくことができていたのに、と思うことがあります。

また、それまでは土日を使ってやらないと間に合わないくらいあったSalesforceへの入力作業が、SALESCORE Syncを導入した後は約1時間でできるようになりました。ひと月あたり16時間くらいは削減できていると思います。それまでメンバー1人1人が商談を1つずつ入力していましたが、SALESCORE Syncで複数まとめて編集できるようになったことによって、1人あたり半日分、組織全体では30~40時間程度が削減できているのではないかと感じています。


吉田:SALESCORE導入後は、リード数や商談数、受注金額だけでなく、転換率などの重要な項目についても見ることができるので、どのフェーズからどのフェーズに移行する時にアラートが出ているのかを確認することが可能になりました。いままでに比べ、多くの重要な情報を見ることができ、分析の質が高まっていると思います。

加えて、SALESCOREでいろいろな数値を見ていく中で、いい意味で示されている数値を”疑う”という文化が根付いてきたと思います。以前は結果の数値がよければそれでいいという状態でしたが、今は、KGIは達成してるけれどその手前の数値を見ると、特定の数値から数値への転換率が徐々に落ちてきてるなど、よくない兆候をすぐに拾って改善できるようになりました。

SALESCOREを使う前は、どうやったら数値を伸ばすことができるかを考える時に、どうしても「Salesforceのレポートのような形で表現しないといけない」という枠の中で考えていたのですが、SALESCOREを導入してからはこちらが考えたことをベースにSALESCOREで形にしていけるので、見るべき、見たい指標を難なく表現することができるようになりました。


目指すのは少数精鋭で自走できる営業組織

ーー今後、SALESCOREを活用してやってみたいこと、今後の展望について教えてください。

石黒:数字を見て実際に動けるようにはなってきたので、ゆくゆくはメンバーが「この数値見たいからこれをKPIとして置こう」「こういう並びで見た方がいいのでは?」など、現場でダッシュボードやKPIを作れるようにしていきたいです。

今はまだマネージャー陣がダッシュボードやKPIを作成していますが、今後は私たちマネージャーが気づかない見るべき指標などが出てくるかもしれないので、現場をいつも見ているメンバーの視点でダッシュボードやKPIを作り、本当の意味で自走していける組織にしていきたいです。

例えば、SALESCOREのダッシュボードを見て自分自身と他のメンバーとの違いを認識した上で、受注単価が低い人が高い人に自発的にノウハウを聞きに行ったり、受注単価の高い人は自分がなぜ高いのかを分析してノウハウを展開することで、他のメンバーもより販売できるようになったりと、相互に高め合いながら、全員が営業として強くなっていくといいなと思っています。


吉田:インサイドセールスでも、今以上に数値に対する理解を高めていき、さらに自分が所属している部署の隣接部署についても理解を深めていけたらと思っています。

今、営業統括本部の中はインサイドセールス部とアカウントセールス部に分かれており、それぞれKGIに紐づくKPIと知見は、それぞれの組織内に一定とどまっています。今後は、SALESCOREの見方を整理をして、自分が所属していない部署であっても、ダッシュボードを確認し、例えばアカウントセールス部の課題はこれだから一旦商談を控えた方がいいなどの判断をマネージャーを介さずメンバー自身が自発的に数値を見てできるようにしていきたいです。

マネージャーだけではなくメンバー単位でも一定重要な要素はSALESCOREで確認し、全体を最適化していくことが目指すべきところなのかなと思います。


ーー最後に御社のセールスイネーブルメントの捉え方や、今取り組んでいること、今後やっていきたいことについてご教示いただけますと幸いです。

石黒:毎年30~40%で事業が成長していく中で営業組織はどう成長に追いついていくのかという観点で必要なことをやっていったら知らぬ間にセールスイネーブルメントに取り組んでいたという感覚です。

弊社は各分野、サービス毎に営業がおり、社内に3つほど営業組織があります。そのため、どういう営業活動をしているかノウハウが共有されづらい状況なので、それを営業組織全体として見られるようにしていきたいです。

それぞれの営業組織に良いところも悪いところもあると思っていますので、それらをSALESCOREを使って可視化していきたいです。そこに改善点やノウハウ、弊社としての強みが隠れていると思います。


吉田:まずは80点に持っていくのがやるべきことかなと思います。80点と言ったのは、80点を越えた先では、営業自身やお客様毎にマッチする提案方法など、個性が出てくると思うからです。日本人にとって「私のこの電話、商談、とても良いでしょ」と言うのは一般的にとてもハードルが高いと思います。仮に第三者からの推薦だったとしても、根拠が示せないとなかなか組織内でさえ共有しにくいというのがあります。その点、SALESCOREではいろいろな数値が見られるので、ここの転換率が高いということはこの人の商談はこういう良いところがある、じゃあこの人の商談を規範としようといったように根拠も併せて出せます。そこからエッセンスを抽出し、組織に展開していくことで全員が一定水準まで効率的に早く成長できる組織づくりを進めていきたいです。


ー石黒さん、吉田さん貴重なお話ありがとうございました!
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