株式会社IPPO

組織拡大のため営業の「脱属人化」を目指す。データに基づく営業活動や教育でさらなる成長

今回お話をお伺いしたのは株式会社IPPO 代表取締役社長の関口さんと、不動産事業部シニアセールスの山岸さん。2018年に創業後、さらに会社組織を拡大させていくためにデータに基づいて営業を体系化する必要性を感じ、SALESCORE Consultingの導入を決意されました。取り組み当初抱えていた課題や、取り組み後の変化、今後の展望についてお伺いしました。


企業紹介

株式会社IPPO

スタートアップ・ベンチャー企業に特化したオフィス移転コンサルティングや居抜きオフィス・事務所情報メディア「ハイッテ」の開発・運営を行う。

入居〜退去までの全てを丸ごとサポートし、居抜き退去や入居後のインフラ周りのサポートなども実施。お客様の経営戦略や採用計画に合わせた提案を強みとし、多くのスタートアップ・ベンチャー企業がマンションの一室から上場を果たすまでをサポート。

企業HP : https://ippooffice.co.jp/

サマリ

  • 営業が属人化していたため体系化されておらず、アクションKPIもきちんと設定されていなかったため日々の数字意識に個人差があった

  • SALESCORE Consulting導入後、昨年の同時期と比較して売上が125%アップした

  • Salesforceに活動を記録したり、各営業メンバーが持ってるノウハウや情報を共有し合う文化が根付き始めた

  • 「第二の関口をつくる」というビジネスゴールを達成するために、IPPOの営業ナレッジとスキルを伝えるしっかりとした教育体系をつくりたい










組織を拡大するためには営業の体系化が必須。

ーーー御社の事業内容について教えてください。

関口:「不動産業界の商慣習を再定義し、これからのあたりまえを創る」をミッションに掲げ、企業にとって明朗で簡潔な不動産取引の実現を支援しています。

IPPOを創業する前からスタートアップやベンチャー企業の支援をしており、何千件とオフィス移転の支援をする中で、不動産業界の商慣習が昔のままであることに課題を感じました。

例えば、オフィス移転には原状回復工事や内装工事、什器購入、敷金などで数千万円の費用が発生します。そのため、スタートアップ企業が数億円単位の資金調達をできたとしても、ほとんどの費用をオフィス移転に割く必要がありました。さらに移転を行うには規模にもよりますが約半年の期間を儲ける必要もあります。

これらは居抜きオフィスへの入居により解決できるものですが、IPPO創業の2018年頃はオフィスでの「居抜き」という概念がありませんでした。

その中で私たちはオフィスでも「居抜き」ができるように推進し、これからのあたりまえを創っています。

主な事業内容はオフィス仲介で、特に居抜きオフィスの普及を目指しています。弊社が運営する居抜きオフィス・事務所情報メディア「ハイッテ」を通して、居抜きオフィスの掲載だけでなく、居抜きの流れや移転事例をご紹介するなど居抜きの啓蒙を行っています。

関口 秀人さん/山岸 耕さん


ーーー当時の関口さんと山岸さんのミッションについて教えてください。

関口: 当時、ちょうど会社が従業員20名を超えるくらいの規模になったタイミングで、30名の壁を越えるためには営業の型を作り、よりミッションドリブンな組織を作る必要があると考えていました。

そこで今までは形として残していなかったナレッジ等を蓄積し、それを基に営業マニュアルを作ることで、新しいメンバーが入ってきた時にIPPOの営業活動がどういうものかを伝えるための仕組みを整え、再現性のある営業組織にしていきたいと思い、山岸に打診しました。


山岸:今までは営業が体系化されておらず、アクションKPIも設定されていませんでした。そのため、まずはKPIをきちんと設計し、そして設定したKPIを達成するためにどのようにしてマネジメントしていくかを考える必要がありました。


朝会・夕会を設置することでノウハウや情報のインプットとアウトプットがスムーズに。日々の数字意識も根付き始める

*ミッションの遂行のため、SALESCORE Consultingで下記のようなプログラムに取り組んだ。

■ニーズ開拓・提案手法を整理し、月間の目標を踏まえた上で新規/既存に対してバランスよく営業活動ができるよう、社内リソースの調整や既存の会議体の見直し、売上ダッシュボードでのプロセスKPI・案件の管理、外出前報告制の導入、朝会夕会の設置、朝会夕会での定量目標の確認等を行った

■記録の意義を浸透させ、KPIの達成に必要な指標を追うための情報が100%記録できる状態を作るため、記録内容と目的のレクチャー、CRMの設計と入力項目の調整、入力マニュアルの作成、SALESCOREでの記録状況のモニタリング等を行った

■営業メンバー各自がKPIの達成に必要な行動量を考え、1日の行動計画に落とし込むことができるよう、KPI運用の目的やルールのレクチャー、プロセスKPIの設計・整理、SALESCOREで振り返るべき項目の見直し、読み制度の導入、フォロー漏れ商談の確認、月次報告・メンバー振り返り等を行った

■月間目標や1日あたりの目標に対してKPIを100%達成できるよう、KPIの可視化、朝会夕会のアジェンダの見直しと時間配分の調整、前日との整合性の把握や目標宣言、定量的な振り返りの徹底等を行った

■売るために何をどうすればいいかを社内ナレッジ化し、全員の取り組み内での気づきや改善点を吸収・共有できるよう、成功事例のシェアと要因分析、ナレッジシェアの仕組みの構築(夕会でのナレッジシェアの時間を確保する、Salesforceにナレッジを蓄積するなど)、ロールプレイングの実施等を行った










ーーーSALESCORE Consulting導⼊時に設定していたビジネスゴールと、それに向けて取り組んだことを教えてください。

関口:当時、「第二の関口をつくる」ことをビジネスゴールとしていました。そのゴールを達成するために、営業のナレッジとスキルを伝えるしっかりとした教育体系をつくりたいと考えていました。


山岸:そのゴールに向けて朝会・夕会の設置や社内でのナレッジのシェア、KPIの整理など、様々なことに取り組みましたね。


関口:特に朝会・夕会を徹底して行うようになったことで、日々の業務フローやKPIが明確になったと感じています。年次のKGIから逆算して月次、週次、日次で達成すべきことをKPIに落とし込み、その進捗を朝会・夕会で確認するようにしました。

各営業メンバーがどのような状況かチームリーダーがより詳細に把握することができるようになりましたし、日々何をすればいいのかが明確になったことで営業メンバーもアクションしやすくなったと思います。それによりリーダーレベルの実績を残すにはどのような行動をすべきなのか明確になりました。

まだ教育体制をつくるところまでは至ってないので、ゴールを目指して取り組んでいきたいと考えています。


ーーー営業現場ではどのような変化がありましたか?

山岸:そもそもSalesforceに活動を記録し、日次で数字を追うという文化がなかったので、それが営業組織の文化として定着し始めたのはとても大きな変化だと思います。今では営業プロセスに関する数値についても記録し、見える化しているので、現状の把握や営業活動の改善に役立っています。

SALESCOREダッシュボードのイメージ( ※サンプルデータ)


加えて、各営業メンバーが持っているノウハウや情報をお互いに共有するようになったことで、すぐに自身の営業活動に活かすことができるようになったのも大きな変化の1つですね。

実際に朝会や夕会で「こういう事例がありました」という話があったら、「自分の明日の提案でこの方法を使おう」というように、インプットした情報をすぐにアウトプットする意識を各営業メンバーが持つようになったと思います。


関口:まだまだリーダーから口酸っぱく言われながらやっている状態で完璧に定着している訳ではないのですが、朝会・夕会やOJT等で積極的にアウトプットしてくれるメンバーがいるので、徐々に「気づきをアウトプットしていこいう」という文化になってきていると思います。

また、コンサルティングの一環としてお客様に提案する前の仮説立てをさらに細かくやるようになったことで、全体的に提案の精度が上がったと思います。これによりお客様の満足度や成約率向上にも影響するため、長期的に続けていきたいと思います。


山岸:思い返してみると、以前は数字に関しても週単位でしか振り返りをしてなかったので、営業メンバーに設定された数値目標の達成意欲が薄かったのが課題としてありました。それが今では朝会・夕会で日々数字を意識することが当たり前になり、理由のない「達成できませんでした」というのが少なくなってきたと感じています。

朝会・夕会を導入する際に、営業メンバーから「日々振り返ることに意味はあるのか」「週次で案件進めていくからそれが見れればいいのではないか」といった意見が出ましたが、今では日々数字を意識することが習慣化しており、その数字を基にとるべきアクションを考え、実行することができるようになりました。

このように変化できたのはSALESCOREの皆さんのご助力があったからです。このプロジェクトを進めるにあたり、SALESCOREのコンサルタントの皆さんは一生懸命IPPOのことを理解しようとしてくださったり、私たちが言語化できない部分を言語化していただいたりと、とても助かりました。

以前は週次、月次で追っていたことを日次でも把握するようにしたため、この朝会ではどういうことを把握しないといけないのかといったことを認識するのにマネジメントする側の我々も時間がかかってしまうことがありました。その辺りに対しての配慮や、どんなことをやろうとしているのかを分かりやすく整理してくださったので、とても有難かったです。


教育体制を整えるとともに、「不動産業界の商慣習を再定義し、これからのあたりまえを創る」を実現し、会社を成長させていきたい

ーーー次のプログラムで解決したい営業組織の課題や、今後の展望をお聞かせください。

山岸:今後、会社組織の拡大に伴い、今いる営業メンバーが多数の新人に効率よく業務を教えていかなければいけないという課題があります。

不動産仲介は属人化しやすい業界と言われており、今いる営業メンバーも今まで属人的な環境・方法で育ってきました。そのため、属人的な教え方しか知らない、できないのが現状です。

加えて、今後採用人数を増やすという会社の方針が決まったため、今までよりも多くの新人が入社します。その際、体系化した教え方をしなければ新入社員が効率よく学ぶことができません。

次のプログラムではその課題を解決できるよう取り組んでいきたいと考えています。


関口:今回のプログラムでスキルセットの分析ができたので、次のプログラムではようやくそれを基に営業の育成マニュアルを作成し、体系化するところまでできると思います。

また、設定したKPIについてはこれからも定点的に追っていきながら、自社に最適なKPIを模索していきたいと思っています。

このプログラムでの取り組みを通して、今まで属人化しやすい業界といわれていた不動産仲介の営業を科学していき、段階を踏みながらさらに成長していければと考えています。それにより私たちがミッションに掲げる「不動産業界の商慣習を再定義し、これからのあたりまえを創る」も実現に繋げられると思います。


ーーー最後に導入検討中の方へメッセージをお願いします!

関口:これからセールスイネーブルメントに関する取り組みは、スタートアップ・ベンチャー企業の事業成長に必要不可欠な要素のため、当たり前になっていくと思っています。売上を上げ、成長し続けるためには、よりデータに基づいた営業活動を行っていくべきです。

ただ、営業自体がAIに完全に置き換わるかというと、そうではないと思っています。今後はデータに基づいて営業活動を行うようになるものの、サービスや商品を購入する時は最後は人が感情を乗せて買うというのは変わらないので、お客様に信頼していただけるようこれからも営業1人1人の営業力を向上させていく必要があります。

自社の営業を見直したい、さらに売上をアップしていきたい、マニュアルも無く体系化もされていないという会社・組織には、SALESCORE Consultingがオススメです。


山岸:私たちが考えていた自社の課題は、正直なところやろうと思えば簡単に解決できることだと思っていました。しかし、今回のプログラムを通して想定以上に時間がかかる上に、さらにしっかり考えないといけないことに気づいたため、弊社ではSALESCORE Consultingのプログラムを延長することにしました。

すでにSALESCORE Consultingの導入を検討している企業や組織もあるかと思いますが、より効率よく、そして全体に浸透させたい場合、人数が増えると全体で何かに取り組む時間をとることが難しくなるので、会社・組織の人数が少ない段階で導入することをオススメします。


ー関口さん、山岸さん、貴重なお話ありがとうございました!

また、今回お話を伺ったIPPOさんのHPはこちらから!
オフィス移転などを考えている方はぜひ、ご覧ください!